Cターン
子供のために環境の良い地域を探して、まったく縁のない地域に移住定住することです
WITHコロナの時代に伴い、都道府県や地域、職場や学校など各所での新しい生活スタイルが見られるようになりました。この制度の下では、子供が外で遊べない日が続いたり、人が関り合い社会性を育むあらゆることが制限されたりと、当たり前だった教育しつけ活動が普段通りにできないことが、親にとっての大きな悩みの種ともなりました。
子供を取り囲む環境について価値観が変化する中、環境が良く、風光明媚な地方での田舎暮らしを希望する、Cターンを検討するご家庭が増えています。
Cターンとは、CHILDのCに由来する、IターンやJターンなどの、転居を伴う転職のことです。
地方や、様々な地域から、大都市に進学や就職などで移住、定住した人たちは多くいらっしゃいます。その後、結婚して子供をもった後、子供の成長や教育等、子供を中心とした理由で、これまでに暮らしたこともない「全く新しい土地に移住と転職や開業等を行うこと」がCターンです。
たとえば、茨城県日立市で生まれ育った人が、東京都に暮らし大学に通い就職結婚して子供をもち、家族で水戸市に移住して転職することはJターンです。これが、家族で鳴門市に移住して、そこで仕事を探すパターンになると、Cターンとなります。
この「××ターン」は、現在確認されているだけで9種類ほどあります。Cターンの他には、Uターン、Jターン、Iターン、Nターン、Oターン、Sターン、Vターン、Xターンが有ります。
最終的に地方で暮らすか、都市または大都市で暮らすかは異なりますが、就職や進学をベースにした移転定住の形であることは共通です。
Cターンのメリットは、なんといっても大都市に比べて広くて風光明媚な地方暮らしである点です。
親族や友人知人たちから離れ、進学就職を機に都心部で暮らしていた時には、経済的にも制約がある中、マンションなどの狭い集合住宅物件暮らしとなる方が多くいます。子供たちにとっては、遊び場といっても、グラウンドの土と、使い方が書かれている通りに遊ぶ遊具、一部の植栽だけ、といった公園しか知らないご家庭がほとんどです。
地方暮らしとなると、見渡す限り緑が迫って来る町のはずれの山風景や、少し足をのばせば広がる大きな海や寄せる波など、都会の子供たちにとっては同じ県内に存在もしなかった自然を、どこへ行っても感じられます。自然の野山が近いため、様々な動植物と共に季節を敏感に感じられるほか、目で見て知らず知らずのうちに覚える自然の知識が、入試などの基礎的な知識とあわせて、ナレッジベースとして長い人生にも役立つと言われます。
また、大都市圏の都心とは異なり、もとより公園自体が広く、自然物を生かしているところが多くあります。子供の遊び場リスクととらえる親御さんもありますが、子供たちが自分たちで遊び方を工夫し失敗を繰り返しながらバリエーションを増やしていく、といった遊びの中にある法則をつかみ、経験として蓄積できることが大きな違いでもあります。
実際、幼稚園や小学校中学校入試では、塾や学校の勉強では体験できない、こういった知識を問われることも多いため、入試前に数年かけ、長期休みに子供たちを山村留学させる、といったご家庭も多く存在します。
もちろん家族全員の生活面でも、農業や漁業等生産地にも近いこともあり、食品等の費用はかなりの負担が軽減されます。また、家賃・電気水道等の固定費も安いところが多く、育ち盛りの子供たちが沢山いても、家計に余裕が生まれ易い、といったメリットもあります。
近年は、インターネット通販も体制が充実しており、都心で購入するのと同じものが注文翌日には届く、というサービスも地方に至るまで広がりを見せています。
そこにプラスして、新しい生活スタイルによる、各社のリモートワーク推奨や出社回数の低減化などの柔軟な勤務体制や、地方でも都会と同レベルで利用できる子供の学習塾のオンライン化も、Cターンの増加に強力な味方となっています。
Cターンでは、子供にどんな経験をさせたいか、これから先の家族のイベントと入進学や結婚などの資金計画も含め、家族一人一人の年齢や経験の計画が重要な部分を占めます。一家を支える両親の勤務先ベースやスキルがメインであるUターン等と比較して、子供の年齢が判断のメインとなります。
Cターンを考える時には、子供の成長やどんな人生を歩んでほしいかは優先的に考えるべき部分ですが、親の生活のための労働や、親自身の地方での人生計画も大切な部分です。
自分のキャリアやスキルをどう生かし、一生のライフデザインをどうやって最大化していこうか、また子供の進学後や、子供が独り立ちした後、どんな生活をしようかといった部分も、地方だからこそのメリットデメリットをしっかりと検討したい部分です。
老後のケアなどについては、大都市圏よりも地方の方が、一人一人に手厚い公共制度や設備が存在するところが一般的です。
こういった「子供のために」以外のさまざまな部分についても、大都市圏とは違い、さまざまな選択肢が柔軟に利用できやすい土壌があるのが、地方移住の魅力部分でもあります。
Cターンに際し、徳島県の各都道府県内自治体、特に過疎地域を中心に、子供の数を維持するための様々な給付金や助成金、大都市圏に比べて手厚い子供世帯の医療や生活、住宅賃貸や取得のための支援制度などを提供しています。
既に転居していては受給できないものも多いことから、Cターンを考えた場合、まずは該当する地域の市町村役場などに相談してみましょう。また、都心で行われているCターン向けイベント、現地で行われている田舎暮らしの体験宿泊イベントなどに参加し、情報収集しながら比較検討してみるのも良いでしょう。