Jターン
地方の町村等から大都市に進学就職で移住した人が、出身都道府県の都市部などに定住することです
新しい生活スタイルの浸透とともに、行動への制約が多い大都市での生活を見直し、これまでとは異なる環境で新生活、新キャリアを始めようという方が増えています。そんな流れを受けて、Jターンが話題です。
Jターンとは、地方の町村などから首都圏などの離れたエリアの大都市に進学や就職などで移住し、一度は定住した人たちが、自分の育った都道府県内にある働き口や便利なライフスタイルの多い地方都市に移住定住。そして就職し、あらたな生活をスタートすることです。
Jターンの由来は、Uターンという出身地―大都会―出身地の軌跡がアルファベットのUを描くことと比較されます。出身地に戻ってくる途中にある都市で止まるため、Uを文字として描く時、Uに少し長さが足りないJを当てはめたといわれています。
またこれとは別に、以前、日弁連が行っていた「地裁支部管内に弁護士0人地域を解消するための制度」は、その「制度の固有名詞自体がJターン」というジュリスト(法律家)ターン制度というものでした。
たとえば、東みよし町で育った人が東みよし町にもどることはUターンですが、東みよし町で育った人が鳴門市に戻ると、これはJターンとなります。
この「××ターン」は、現在確認されているだけで9種類ほどあります。Jターンの他には、Uターン、Iターン、Cターン、Nターン、Oターン、Sターン、Vターン、Xターン。最終的に地方で暮らすか都市、大都市で暮らすかはそれぞれ異なりますが、就職や進学をベースにした移転定住の形であることは共通です。
Jターンのメリットは、なんといっても生まれてから長い期間育って来た都道府県で、親族や友人知人たちなど、近しい懐かしい長い付き合いの仲間が多いということです。また、出身地で暮らしていた時より格段に、便利な都市部での生活があるという点です。
さらに、自分の生まれ育った地域だからこそ、その地域のあらゆる魅力や特徴、さまざまな変化、勝手知ったる出身県です。地元出身者として信頼される人物でありながら、それにプラスして大都市生活で養われた新たな視野をもって活躍できる即戦力であるという点です。
Jターンでは、大都市で一回り大きく育った自分の姿を楽しみに待っている親族や友人、地域の人々の存在も大きな特徴です。なにより同じ都道府県内、地域に溶けこみ易い上、ちょっと疲れた時には、実家や友人たちに甘えてしまうことだってできます。
この、「一人暮らしをするにはちょっと不安、でも、いざとなれば実家があるし」という実家とつかず離れずの、適度な距離感こそ、Jターンのもう一つの大きな魅力でもあります。