ドレープカーテン
住宅の窓によく設置されている、レースではない一枚布のカーテンのことです
ドレープカーテンとは、住宅の窓などに設置されていることが多い、視線をさえぎることや遮光や遮熱を目的として、主に夜間などに用いられる一枚布のカーテンのことです。「ごく一般的な布で、レースではなく、透けない方のカーテン」と言い換えられるでょうか?
お部屋の中では、窓とは比較的大きな視野上の面積を占める部分になります。それだけ、誰の目にとっても何らかの形で飛び込んで来やすい部分でもあり、インテリアの中では、色柄雰囲気ともに、非常に大きな役割を果たす部分でもあります。
ドレープカーテンのドレープとは、カーテンのヒダのことです。
カーテンレールにぶら下がっているフックの真ん中あたりをご覧いただくと、左右均等に布をつまんで縫い合わせてある場所が連続しています。このつまんで縫い合わせてある形=ヒダの形状によって、後でご紹介するように、布幅や呼び方が異なってきます。
カーテンフックと呼ばれる金具や樹脂製金具は、カーテンの窓側に引っかけることで、カーテンレールとカーテンの間をつなぐものです。これには幾つかのタイプがあり、レールが見えるAフックや、レールが隠れるBフック、そして長さを調節することができるアジャスターフックなどがあります。また、アジャスターフックの中には、AB両方に使えるタイプもあります。
さらに、カーテン自体にはドレープをつけず、1枚布やリボンテープなどでも使えるカーテンクリップや、シャワーカーテンのように、はとめ穴等の開いた布に使えるカーテンリングなど、さまざまな金具もあります。
カーテンレールの種類も様々なものがありますが、逆Uの字に曲げた機能レールの中にランナーを入れるのが日本では一般的なタイプです。他には、リングをランナーとして使うバータイプ、ランナーがI字断面のレールを挟み込む吊り下げ型のカーブレール、横向きのレールの中にランナーが入ったピクチャーレールのようなスタイルで、重量物にも対応できるインテリアレール等がベーシックなスタイルです。
バータイプ以外では、電動式やリモコン式で開閉ができる物や、ブラインドのように紐やバーを使って開閉できるタイプもあります。
またそれぞれ、壁面から浮かせてつけるためのブラケットタイプや、窓枠や天井上面にネジなどで直接レールを取り付けるタイプ、突っ張り棒などでレールを支えるタイプなど、取り付け方法にも様々なタイプがあります。
ドレープカーテンは、レースのもの等に比較して、重量が多めになります。ドレープを寄せないフラットタイプやヒダなし、ノンプリーツという一枚布タイプに比較して、二ツ山と呼ばれる1.5倍ヒダや三ツ山と呼ばれる2倍ヒダは、それぞれ布幅で1.5倍や2倍の布をつかってフラットタイプと同じサイズに仕上げているという贅沢なカーテンです。オーダーメイドでは、これ以上の布幅のタイプも存在し、クラシカルなインテリアや遮音遮光性能を高めたい物件などで、非常によく見ることができます。
通常、既製品で販売されている製品は1.5倍ヒダのもの、等間隔で縫い留められている各部分は、2つのヒダでできています。
布用尺を多くするほど重量は大きくなり、カーテンレールもそれなりに滑りがよく重量に耐えることができ、変形しないタイプが必要です。
また、同じ布素材で比較すれば、布用尺を多くすればするほど湿度や温度のコントロール、冷暖房効果が得られやすくなり、外から透けにくくなります。
通常、雨戸のある窓にはレースカーテンしか取り付けずに使用することが多く、特殊な遮像効果のあるミラーガラスや、すりガラスなどがはめ込まれた雨戸のない窓では、ドレープカーテンのみで使用することもあります。
そのため、物件によっては、建物に取り付けられているカーテンレールが1本しかない場合もあります。この場合は、増設用のブラケットなどを取り付けることで、この1本をベースにして2本のレールを設置することができる場合もあります。
物件によっては、カーテンレール自体が最初から取り付けられていないものもありますが、設置等の必要がある場合、原状回復含めて、事前に不動産管理会社や大家さんに相談しておきましょう。
ドレープカーテンにも、通風性に優れたものや丸洗いしやすいもの、形状記憶タイプ、防炎、遮光遮像効果などさまざまな加工が施されたものがあります。
布素材の中には、猫など爪とぎをする動物が引っ掛けても、カーテンも猫の爪も傷まないものもあります。花粉症対策などで空気をきれいにできるもの、といった高機能性製品も近年見られます。
また、見た目の上でも、複数枚重ねることで色柄を好みに合わせて調節できるもの、表裏で柄が違うもの、蓄光塗料やホロフィルム、プリーツなどを使ったもの等、さまざまなタイプのものが存在します。
ドレープカーテンサイズ採寸時は、カーテンレールの取り付け位置や窓のタイプ、カーテン自体のデザインによって、測り方が大きく異なります。
ドレープカーテンの幅は、通常、固定ランナーの中心から中心やキャップの付け根から付け根までとなります。購入する際は、1枚当たり実寸よりも5〜15%ほど大き目のサイズとなります。
また、長さを計る際は、ランナーのカンと呼ばれる丸型金具の下から、窓の形状や大きさによって窓高さから1-2cm引いた長さまでや、窓枠の下+15-20cmの長さとなります。
また出窓の場合は窓高さから1-2センチ引いた長さがおすすめです。長さは、レースカーテンサイズに比較して、通常は数ミリから数センチ長めに設定します。
またデザイン上、カーテンフック取り付け位置がカーテン上端からどの程度下にあるかによって、長さ調整が必要です。長さ関連では、いずれもアジャスタータイプのカーテンフックを使用することで、ある程度の調整ができます。
掃き出し窓や腰高窓など大き目の窓では、毎日日中はドレープカーテンを開放して使用しますが、この時、壁面に取り付けられている房掛けに、タッセルというカーテンに付属した開いたカーテンをまとめて束ねる布を使用します。このタッセルは、ドレープカーテンにもレースカーテンにも付属しますが、1つの窓に両方を取り付けている場合、タッセルはドレープカーテンの物だけを使用します。
最近は、ロープやリボンなどを用いた別売りのタッセルなどを使用する方が増えています。また、シンプルなラインにこだわる方には、タッセルが表側に見えにくいマグネットタイプなども販売されています。
カーテン販売店の中には、サブスクリプション利用ができるところや、本当にお気に入りの1枚が見つかるまで、現物サンプルを貸し出して選ばせてくれるサービスを行っているところもあります。
新しいお部屋のインテリアの中でも、特に大きく印象を左右する部分でもあり、なかなか大きな出費、そして一度購入すると比較的長く同じものを使うという方が多い部分でもあります。だからこそ、失敗しないようにしっかり選んでおきたいですね。