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避難障害

避難経路上に物が置かれていたり、何かに使用されているために通行が阻まれることです

マンションアパートなどの共同で暮らす建物では、ベランダや玄関扉外の廊下などに物を置いてはいけない、といった規則があります。また、ベランダを各戸で仕切る壁に、物を置いてはならないといった文言が目立つように、赤や黄色の派手なステッカーが貼り付けられていることもあります。

このスペースに、なぜ置いてはならないのか?疑問を持たれた方もいらっしゃるかと思います。

指定されているベランダや玄関扉外の廊下は、火事や事故が発生した際、あらゆる人が通り抜ける避難用の通路として使える汎用型の設備だから、というのが理由です。この設備に対して、避難時に通路として利用できなくするように物が置かれていたり、何かの用途に使われている状態となっている場合を、避難障害(ひなんしょうがい)と呼びます。

普段、玄関扉外の廊下の一部やベランダは簡素な壁で仕切られており、見た目の上ではプライバシーがある程度保たれたスペースとなっています。ですが、契約書や物件概要、図面をよく読むと、玄関扉外の廊下やベランダは、入居者の共有部分と規定されています。非常時にベランダ等を通行するときには、この壁を蹴破って、各戸の入居者が通行して使用します。

また、各フロアいずれかの住居のベランダや廊下には、上階や下階に繋がるはしごやロープ、リフトなどが設置されている物件がほとんどです。緊急時には、移動するためにこれら設置物の扉を開ける必要があることもあります。

そのため、この移動や移動のための扉の開閉、設備の組み立ての邪魔になるものをベランダや玄関扉外の廊下に置くことは、すべて禁止されています。

木材などを固定することや、自動車のタイヤのような重い物を置くこと、はしごのような長くて扉開閉を阻むものなどを置くことも、全てNGです。

高層火災や建物内部の一般的な通路からの避難が難しい事故状況の時には、被害が発生していないフロアからのロープ降下やリフト車を横付けしての人命救助が行われます。また、ベランダなどからの広い放水や捜索活動で、さらなる事故を防ぐ必要があるケースもあります。

最近の設計のマンションや分譲物件などでは、ベランダの一部のように見える居間などが設置されているものもあります。このベランダが、専有部分となっている物件もあります。

専有部分となっている場合は避難経路に影響がないため、柔軟な利用が可能なケースもあります。ですが、専有部分のベランダでも、物件全体の見た目や落下物防止などの目的で、設置利用に関しては物件ルールに従って行うよう定められていることもあるため、注意が必要です。

お家需要で盛んになったベランピングやベランダガーデニングですが、まだ多くの物件では、固定物や重量物を設置するのはNGとなっています。あくまでも、物件のルールに則って楽しむよう、心がけましょう。

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