SRC構造
鉄骨鉄筋コンクリート造の意味です
お部屋探しで物件詳細を見ていると、SRC造と記載されている事が多々あります。これは物件の構造が、鉄骨と鉄筋コンクリートで出来ているということを表しています。
鉄筋コンクリートはReinforced ConcreteやRCと呼ばれる、細い鉄の棒が間に多数封入されているコンクリートのことです。
鉄筋は、普通、直系十ミリ前後程度の丸棒で、これを多数コンクリートの中に入れています。これに更にSteel=太い鉄骨をプラスして強化されたものが、鉄骨鉄筋コンクリート造のSRC造です。
コンクリートは硬くて地震や交通などからくる揺れの中では、縮む力に対して強い素材です。紀元前から見られる素材で、中近東などが発祥ともいわれています。
もともとは芯材をほとんど持たない、土を練ったものを重ねていくタイプのコンクリートやセメント類でした。その構造内に剛性=粘りを追加するために、鉄の丸細い柱を多数入れたものが、鉄筋コンクリートです。
具体的には鉄筋は、地震などの振動では、建物の外壁などが引っ張られたり強く圧縮されることで割れが生じます。このうち、引っ張られたときには、鉄筋の粘りによってコンクリートが割れたとしても、一定の構造を維持しています。
また鉄骨は、太いH型や角形のものなど様々なタイプがあり、使用する場所や設計上どんな効果を狙った部分かによって、万が一の時に力のかかるかもしれない方向に対して、つぶれや伸びからくる変形が起きにくいように使われています。
よく不動産広告では「SRCだから災害時も丈夫で安心」「地震や風水害に強い」などともいわれています。
実際は、どのくらいの太さの物を入れるか、どんな鉄骨や鉄筋デザイン=配筋にするか、鉄筋はどのくらいの間隔や密度で入れるか、建物全体でどこまでをどんなバランスにするかなど、全体を見てみなければ、強度はわかりません。もしも鉄骨や鉄筋が入っていたとしても、建物の全体重量等に対して十分な量や配置形状でなければ、ほとんど意味のある強度にはなりません。
ですが、一般的には、たとえば木造なら、地震や騒音などに強く、湿度調整などもできる上、さまざまな間取りが自由に作れると言えます。
合成樹脂造なら、現地での工事時の時間が短く済み、施工中騒音などでご近所に迷惑をかける期間も少ないのが特徴です。
軽量鉄骨なら、これらの住宅よりもすこし建物が長持ちしやすく、メンテナンス費用が抑えられます。
重量鉄骨造やRC、SRCなら、非常に長く建物の変形や劣化が起こりにくく、遮音や耐風、一部遮音性能などに優れる、というようにそれぞれの素材に特徴があります。
建物の構造については、不動産広告の中の物件詳細部では、建物構造として表示される欄があります。一般的に賃貸住宅として使用されている建物の場合、建物構造は大きく分けて6種類あります。
木造、合成樹脂造、軽量鉄骨造・S(Steel)造、重量鉄骨造・S造、鉄筋コンクリート造・RC(Reinforced Concrete)造、鉄骨鉄筋コンクリート造・SRC(Steel Reinforced Concrete)造がそれぞれ存在します。
一般的には木造住宅などを建てる際は、ピアノやその他機材、書斎といった重量物を置く部分については、事前に一般的な強度をはるかに上回るように設計施工しておきます。ですが賃貸住宅の場合は、とくに重量的に補強してあるといった物件は珍しいのが現状です。
SRC造は、一般の壁面書斎程度であれば、重量的には多くのお部屋に設置できるとされる強度です。そのため、木造住宅やRC造物件で、荷物重量等が気になるなら、より大きな重量に対応しているSRC構造の物件を選ぶというのもひとつの目安かもしれません。
建築年代や物件の壁厚、内装材の施工方法等により差はありますが、外壁などの部分で単純に比較すると、耐震、耐火性能に優れ、遮音効果が高い物件が多く見られるのも、このSRC構造を含めたRC造以上のタイプです。
ファミリー用物件を探す時、建物外からの騒音を気にせず生活をしたい場合には、RC構造やSRC構造のものを目安とするのも良いでしょう。
建物内の近隣などからの騒音が気になる場合、SRCやRCでも、各戸の間を仕切る戸境壁等の設置状況や、床の防振ダンパー等の施工状況によっては、建物内世帯同士の間で、物音や会話などがより大きく伝わってしまうケースもあります。
あくまでも建物やお部屋の建材や施工状況等によって異なる部分でもあるため、気になる場合には、休日、多くの世帯が在宅している時間の、現地内見などをお勧めします。