戸境壁
建築用語で、マンションの建物内にあり隣戸との間を仕切る壁のこと
戸境壁(こざかいかべ)とは、マンションなどの集合住宅の壁のうち、隣戸との間を仕切る壁のことを指します。
この壁は建築基準法により、遮音において問題がない構造であること、天井裏に達する耐火構造・準耐火構造・防火構造などを満たすよう設置しなければならない、などが定められています。
マンション物件では、比較的戸境壁が薄い物件も存在しますが、構造とのバランスで、遮音効果の高い厚みがある程度決まってきます。比較的シンプルな仕上げの集合住宅内装では、この戸境壁の上に直接クロスなどを貼る仕上げもあり、直接戸境壁の厚みが、遮音性につながっています。
このケースでは、例えば鉄筋コンクリートの建物なら、壁式構造で20センチ上、ラーメン構造で15センチ上ほどになります。
また非寒冷地を中心に、以前は、各戸内側の戸境壁と石膏ボードやランバーコアの間には大きな空洞がある二重壁設計の物件が数多くありました。戸境壁を通して伝わった小さな衝撃が糸電話のようにボード上で増幅される太鼓現象によって、いつも隣の家の声が大きく聞こえてくるといった二重壁への不満は多くありました。
ですが現在は、蓄熱しやすいコンクリートの特性もあり、夏の冷房効率なども考え、温暖な地域の物件でも断熱材や吸音材などの詰め物を多く取り入れた物件が増えました。その結果、新たに施工された二重壁物件は非常に静音性にも優れ、冷暖房効率も良いといった評価につながっています。
ちなみに、建築用語からみる集合住宅の壁には、この戸境壁の他、外壁、(住戸内)間仕切り壁などが存在します。