退去立ち会い
退去時の原状回復のための確認作業のために入居者と不動産管理会社が一緒に行うチェック作業
退去立ち会いとは、賃貸住宅や売却物件から入居者が最後に出ていくときに行われるものです。
具体的には、契約書上の同意事項や原状回復のルールにのっとった使用や復旧状態で明け渡されるかの確認や、故障個所や床や壁のキズや汚れができた原因や、誰が費用を負担するかなどを確認する作業です。これらは、退去立ち合いとも呼ばれます。
通常は、不動産会社に退去の意志を連絡し、その後書面で退去届などを提出した際に、退去スケジュールを確認されます。それによって、最終入居日に退去立ち合いの時間帯を含めたスケジュールが知らされます。この時点で時間帯がわかるため、当日の退去立ち合い前に荷造り搬出や掃除を済ませておけば、この退去立ち合い後にすぐ転居先に移動ができます。
また退去届用紙は、通常、入居時書類の中に添付されていますが、この時に新居の住所や理由、連絡先等を記入し提出します。提出の段階で確定していない場合、空白にしてその旨を連絡します。
退去立ち合いでは、入居期間中の状況確認や、入居時に建物を引き渡した不動産会社や不動産管理会社等との認識の違いなども起こりうるものです。そのため通常は、部屋の入居使用者本人と不動産管理会社の担当者が、退去するお部屋で、退去するタイミングまたは退去当日に1時間ほどをかけ行います。
退去時の確認項目の中には、以下のような内容があります。・部屋の汚れや傷、摩耗、パーツ類等の確認・破損等は引き渡し時にすでにあったか、あるいは今回の入居中にできたものか・破損等は通常の生活の中でできがったものか、あるいは故意や入居者の責任でできたものか・パーツ等の場合、最初からなかったのか、あるいは使用に伴い消費使用されたり、摩耗や損壊で減ったりしたものか・契約書内でそれぞれの汚損箇所についてどんな合意事項になっていたか、入居後追加で連絡や合意した事柄はあったかこれらをチェックリスト等に従って確認し、最後に入居者が退去立ち合いチェック用紙にサインをし、カギを担当者に渡して退去となります。鍵は、書留郵送や契約時の不動産会社に入居者が届けるという物件もあり、注意が必要です。
退去日に引っ越し荷物の搬送を予定される方も多いですが、特に繁忙期は、午後すぐに引っ越し予約を入れ貸し切り状態であったとしても、作業員や道路混雑等の関連で、真夜中にまで作業がずれ込んでしまうケースもあります。
そのため、引っ越しの荷造り搬出作業や台所お風呂場周り、ベランダなど、意外な大掃除になりがちな部分や、ガス水道などの利用は前日までに完了しておくのが理想です。そして退去日当日は、簡単な掃除や窓ふきなどだけにしておく方が多いようです。
全国各地、電気や通信系設備に関しては転居日ギリギリまで使用でき、電話連絡のあとブレーカーを遮断、コネクタや器材類を抜き取って発送するだけで良いところが一般的です。一方、ガスや水道に関しては、撤去や閉栓処理と検針等の立ち合いによる手続きが必要なこともあります。
このあたりも、退去が決まり、使用停止予定日の連絡をすると同時に、立ち合いが必要かどうかなどを確認しておきましょう。
ガス水道電気通信系設備などは、一度退去予定日を連絡したあとに都合により、数日間だけ使用を伸ばしたいという時でも、閉栓作業前であれば柔軟に対応してもらえます。
こういった住居に関する大型の設置物の取り外しや、引っ越し荷物の搬出では、プロに作業をお任せしていてもキズなどが発生することがあります。かならず、退去立ち合いの前にこういったお引越しの荷物搬出や追加の荷物発送といったものは、済ませておきましょう。
またどうしても忙しく、退去立ち合いを本人が行えない場合、不動産管理会社や大家さんによっては、連帯保証人や家族などであれば本人の代わりとして退去立ち合い可能としているところもあります。
ですが、独り暮らし物件などでは契約者一人しか暮らしておらず、代理人では物件内の汚れや故障等、利用状況について十分説明できないといった場合もあります。
こういったことに備えて、事前に自分で気になる各箇所を重点的に室内すべての写真を撮影し、不動産会社に送付し、理由などもある程度を伝えておきましょう。また、代理人による退去立ち合いの時間帯は、出先に居ても電話連絡が付くようにしておき「写真で『送った部分以外の』個所や確認が必要なときには、即対応」できるようにしておけば安心です。
こうした室内写真を事前に送っておいてもらえた方がよいといった退去立ち合い手続きは、本人が立ち合いを行う場合でも、借主ばかりではなく貸主にもとても助かる存在です。不動産管理会社の中には、事前写真データ送信を退去者にお願いしているところも多くなってきています。
現在、退去を検討している不動産の退去立ち合い詳細については、契約書付属書類等を確認する他、不動産管理会社等にあらかじめ確認しておきましょう。