ブレーカー
住宅に引き込まれた電気配線に設置された配線用遮断器の事です
よく住宅やオフィスの天井付近の壁に取り付けられているブレーカー類。
このブレーカーとは、住宅へ電気を供給するための大元となるスイッチと、宅内各エリアに電気を運ぶ回路の大元にあるスイッチ類のことです。手動でON OFFできる物が多く、それ以外に設定された以上の電気が流れた時に自動的にOFFにしてくれる装置です。
実は多くの人が思っているブレーカーと呼ばれるものとは、イメージが異なるかもしれません。
オフィスや天井付近に、白やクリーム色の薄型の箱が取り付けられており、これは分電盤(ぶんでんばん)と呼ばれています。
この中に、通常は3種類のブレーカースイッチが入っています。いずれも、入/切の表示が付いているタイプがほとんどです。中には、黒色で表示が無いタイプのスイッチのこともあります。
1つは、アンペアブレーカーやサービスブレーカーと呼ばれるもので、住宅内に引き込まれる電気の大元のON OFFを行う物です。
通常は、スイッチ廻りに緑や紫など、ほかのブレーカーよりも目立つ着色板が設置されています。一番左側に設置されているものが多いようです。また、四国エリアではあまり見かけませんが、それ以外のエリアでは「30A」などの契約アンペア数が大きく表示されています。
スマートメーターが設置されている物件では、アンペアブレーカーは設置されていないものが多いです。
2つ目は、各エリアや各機材ごとに分けられた安全ブレーカー。これは、スイッチごとに書かれているエリアや器材名ごとに、回路側からON OFFできるものです。コンセントなどに差し込んだ一部電気製品がショートしたり異常な電流が流れたりといった時に、このスイッチが自動的にOFFになることがあります。かならずOFFになるというわけではありません。
3つ目は、その2つのブレーカーの間に設置されている、漏電ブレーカーと呼ばれるものです。古家などの一部では、まだこの設備が付いていない物件もあります。
この漏電ブレーカーは、分電盤から各部屋に分かれて流れている電気回路を管理しているブレーカーです。電化製品等がショートしたり故障したり、異常に多い電気が流れたりといった場合、回路全体を遮断します。
このブレーカーが働いた場合、漏電ブレーカーの下にある各安全ブレーカー部分の使い方や電気製品や回路に問題があります。そのため、安全ブレーカー全体をOFFにしたあと、1つずつのブレーカーだけをONにして、どの部分のときに漏電ブレーカーがOFFとなるかを調べる必要があります。
単に、近隣で工事や落雷他で異常電圧などが発生し、そのノイズ等を拾ったという場合にも作動することがあります。こういった場合、黄色い漏電表示ボタンと、赤いテストボタンなどを使って、全体を確認してからONにする流れとなります。
また、これらよりさらに古いタイプの建物では、今回ご紹介したノーヒューズタイプと呼ばれる分電盤やブレーカーではなく、ヒューズを用いたタイプが設置されていることもあります。このタイプでは、スイッチタイプに比べて、異常電流などが流れた際に誤作動が少ないものの、一度切れてしまうとヒューズごと交換する必要があります。ホームセンターなどでも取り扱わなくなっているところも多いため、万が一切れてしまうと数日はそのエリアで電気が使えないといったこともあります。
ですが、このうち、アンペアブレーカーやサービスブレーカー部分は、電力会社等の点検時に交換されることがあります。それ以外の部分は、不動産管理会社や大家さん、あるいは入居者等で費用を負担し、交換することになります。
通常、新築物件や、長期空室物件の場合、退去時この3種類のブレーカーの内、アンペアブレーカーやサービスブレーカー部分のスイッチを切にして、宅内には電気が流れない状態となっています。また、賃貸物件では、一週間程度から帰省時などの長期不在時には、冷蔵庫含めてすべての電気のブレーカーを落とすようにとしたルールがあるところもあります。
最近は、入居時はブレーカーのスイッチを入れるだけでなく、電気供給開始までに事前に電話連絡などを行う必要があるタイプが多くなっています。早いときでは電話連絡から数分で、長い場合でさらに点検が必要な場合数日かかるケースもあります。
使用を開始する場合には、まずは電力会社に連絡を行いましょう。