屋上
【1】屋根上、上のフロア【2】建物各部の最上階(=RF、R階)で、人が出入りできるように平らになっているところのことです
屋上(おくじょう)には2つの意味があります。
【1】屋根上、文字通り屋根の上のこと。と、上にある階のこと。また現代もっとも一般的に使われるのは、【2】建物各部の最上階で、人が出入りできるように平らになっているスペースのことです。
RF、R階=Roof Floorとも呼ばれ、エレベーターの行き先表示でいう「R」はこの屋上を表します。
もともと日本では雨が多いことから、排水は必須となります。そのため、建物上部を平らにした建築物は一般的ではありませんでした。
建築物の歴史でも、バビロンなど雨の少ない地域では、平らな屋上構造を持つ物件は古くから多く存在してきました。木造建築が主流だった近代以降の日本でも、建築技術が向上し、平らな陸屋根(おかやね)が作られるようになりました。
近現代では、学校やビルヂング建築時のスペース効率から、設備としての屋上が普及してきました。
一般的には、戸建て住宅でも賃貸住宅でも、屋上は人が入れる階段やはしご等の設備を備えています。運用上は、住民に開放しているものもあれば、特定の入居者だけが利用できるもの、建物の空調や電気設備などメンテナンスに必要な設備だけをまとめて設置するに限るものなど、様々です。
住民に開放しているものや、特定の入居者だけが利用できるものとしては、屋上に家庭菜園や遊具スペースなどを設けたり、娯楽スペースや、洗濯物干し場を設けたりといった物件も数多く見られます。ファミリー向け物件以外の、都心のど真ん中のおしゃれ物件にもみられるほど、さまざまな屋上活用は人気となっています。
また構造上屋上を平らに作っていたとしても、人が出入りできない構造の屋上もあり、この場合は床面積に算定されません。
屋上部は通常、屋根をもたない代わりに雨どいなど排水設備を持つほか、防水塗装か防水シートによって床面がカバーされています。
経年劣化により、この防水設備の一部に問題があり、建物内に雨水が侵入してくるケースなどは数多く見られます。あまりに状況がひどいと、契約期間の途中で、大掛かりな物件リノベーションのために退去を余儀なくされることなどもあります。
建物そのものの耐用年数に関係してくるポイントでもあり、お部屋選びの内見の際には、こういった生活スペース以外の共用部分もしっかりチェックしましょう。