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アルコープ

玄関前に設けられた、くぼんだ形状の小規模な各戸専用スペースのことです

マンションの門扉
マンションの門扉

アルコープとは、主にマンションに多い設備や設計です。共用廊下から個別の玄関へ入るまでの間で、壁面から奥まった小さなスペースを設けたり、専用扉を設けた内側にスペースを設け、そこを各戸専用の玄関前スペースとするもののことです。ちょうど、廊下から横穴を少し進んで玄関扉があるようなイメージといえばわかりやすいでしょうか?

アルコーブや、各戸玄関ポーチと呼ばれている物件もあります。もともと、欧州の戸建て住宅や集合住宅でよくみられる設備でした。

日本の場合、戸建て住宅や昔のマンション、アパートでも、1階部分を中心とした各戸の入り口部分には、玄関ポーチと呼ばれる設備のほうが圧倒的に多く見られます。これは、アルコープとは逆で、外壁の外側と同じレベルに設置された玄関扉の外側に、張り出した屋根付きの専用スペースを設けたものです。

日本の場合、耐震性その他の関係で、住宅自体はしっかり箱型に作ることが多く、玄関はその外に設けることからの名残ではないかともいわれています。

ちなみに、欧州の古典的な集合住宅では、古くは建物の外壁から奥まった位置に窓が、建物の外壁位置には雨戸が設置されていました。ちょうど、建物の外壁と同じ位置に窓枠や窓を設置し、その外側に雨戸を設置することで、湿度や高い気温、吹き込む雨などで住宅の劣化を防ぐ必要のある日本とは対照的です。

これはもともと、当該地域物件は地震などが少なかったことや、建て方もレンガや土モルタル、コンクリートや石造など、厚い外壁がしっかりとられ、外壁最外殻からみてスペースからくる強度にゆとりがある、ということもあります。

アルコープの用途としては、自転車や子供の三輪車、乳母車といった、宅内に持ち込みたくはないかさばる道具を置いたり、物件によってはプランターなどを置いてガーデニングを楽しむ事も出来ます。玄関から廊下に出るまでに、景観的にもワンクッション置く事が出来るため、セキュリティ面でもプライバシーの面でも好評です。

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