カップル
婚約中、お付き合い中や同性未婚の2人向け物件は年々増加中です
カップルとは、新婚生活をスタートしたばかりなどの男女2人の法律上の夫婦世帯。そして男女もしくは同性で婚約中、お付き合い中や、内縁関係、その他法律的には要件を満たしていない夫婦にも似た関係の2人の事を言います。
通常、不動産の契約上では、戸籍や血縁上の1家族やそれに近い親族を1世帯単位として考えられます。そのうえで、入居者が契約上や責任範囲でどのように保護され、安心した生活が送れるかといった法律上の制度が、多数用意されています。
そのため不動産の契約上では、法律上の夫婦やそれに準じる関係として認められている場合と、そうでない場合で、契約上の取り扱いが異なってきます。
新婚生活をスタートした2人の他、その間もしくはほかの人物との間に生まれた子供で、法律上の関係があるとして出生届や認知、養子縁組等がされている家族がその世帯内にあれば、法律上の夫婦に準じた関係に近いものとして扱われることがあります。
不動産の大家さんや管理会社、売買時にローン融資する金融機関側とすれば、契約者の方には、ご紹介する物件に末永く暮らしてほしいとともに、事件や事故なく、かつしっかりと家賃等を支払ってもらい信頼できる関係を築けることを望みます。
万が一トラブルが発生し、自分たちでは解決できず法的手続きが必要な場合、何らかの籍の入った家族とそうでない場合では、手続きが煩雑さを極めます。また、入居したカップルのうち、片方だけに極端な負担がのしかかる場合もあります。
こうしたケースをできるだけ避けたい意向もあり、これまでのカップル向け物件では、婚約中同棲を含めて、比較的難しい環境がありました。ですがここ十年ほど、「法律にとらわれないさまざまな事実上の家族の形」が増えて広がってきたこともあり、「カップル向けとしていろいろな関係の2人にお部屋を貸します」という物件も増えてきました。
法律上の夫婦やそれに準じる関係として認められている場合は、通常、一般の家族世帯と近い入居審査となります。それ以外の場合、婚約中といった2人含めて、婚姻日が確定している場合なども、これに比較的近い入居審査となります。
戸籍上の関係性等が存在しないなどの場合、それが異性カップルであれ同性カップルであれ、2人の関係性や生活年数、2人の勤続状況など、さまざまな項目をプラスした入居審査となります。
LGBTQなど、これまでの法律や社会からみて、新しく認められるようになった仲の同性カップル=パートナーシップでは、物件貸し出しについては、入居審査で難色を示されるケースも多く見られます。ですが、たとえば東京都渋谷区では、区をあげて同性同士カップルに「パートナーシップ証明書」を発行しています。
区が発行する証明書を受けて、不動産の審査などに通りやすくなったという声も聞かれます。更に、こうした流れを受けて、さまざまな形のカップルを積極的にサポートする不動産会社や大家さん、こういったカップルに特化した不動産会社なども多数存在しています。
地方でも、徐々に様々なカップルに対して柔軟に契約が進められる物件は増えており、「人柄、人物重視」という物件が多くなっています。
不動産の広告には、よく「ルームシェア可」といった表記の物があります。
ですが実は、ルームシェアがOKだからといって、カップルで暮らすのもOKというわけではありません。二人の関係性をしっかりと伝えて、審査を受ける必要があります。
ちなみに、友人同士や同じ学校や会社の仲間でルームシェアする際は、どちらかが代表となり物件を借りる形での契約を行うか、それぞれが個別に大家さんや管理会社と契約を行う形となります。どちらになるかは、物件によって異なります。
不動産契約に際して、たとえば入居するカップル双方の両親などが連帯保証人となってくれる場合などは、家族によって認められたカップルということで、比較的審査には通りやすくなるといわれます。いずれの場合も、片方が退去した際の責任を、契約の事前に明確にすることが条件として必要となる事もあるため、注意しましょう。
また、物件に一人で暮らし、婚姻や出産などで家族が増えた場合、そのまま通常のように新たに増えた家族とともに居住できると考えられていますが、契約上や設備上1人までしか暮らせない物件の場合には、その限りではありません。不動産広告上の1人暮らし向け物件では、認められないことに注意しましょう。
ファミリー向け物件に1人で暮らしているところに、カップルのうち片方が加わって一緒に暮らしたいとなった場合や、友人知人などとルームシェアしたいとなる場合もあります。法律上の夫婦やそれに準じるものとして認められた形式になっていない場合には、単に同居人が増えたとして、利用者を増やすということは基本的にはできません。
この場合も、2人の関係性などを伝え、家賃の負担やトラブルが発生した際の負担は誰にあるかを確定し、新たに入居者や物件使用者のための審査を受ける形となります。
事件事故などで、一時的な避難先として友人知人やカップルの片方を追加で受け入れるという場合には、その期間や状況等について、個別に不動産管理会社等に相談が必要です。