ツーアクション窓
片開の他に窓上部だけを倒してわずかに開ける、2通りの開け方ができる窓のことです
ツーアクション窓は、1枚扉の窓で、部屋内側への片開の他、窓上部だけを内側に倒してわずかに開けることができる2通り。洋ドアのように開く他、回転軸を下方向にとったかのようにと、全く別に取った開け方ができる窓のことです。
引き違い窓といえば、クレセント錠がついて引き戸の要領で開くことのできる窓の事ですが、こういった窓の種別でいえば、ツーアクション窓は「ドレーキップ窓」と呼ばれる窓の1種になります。これはドイツ語の、「ドレーン=回す」と「キッペン=傾ける」から来た名前です。
回転軸を下方向に取ったかのようにと言いますが、実際は、窓の気密性を高めるための金具が窓枠四方を取り囲んでおり、この金具が窓を枠に対してひきつける力を利用してこの開け方を支えています。
この窓では、片開(内開き)=部屋の洋ドアでよくみられる左右のどちらかを蝶番として押し引きすることで左右のどちらかから徐々に広くなる開口部をもつ開き方と、上側開き(内倒し)=窓の下部分を軸にした開口部の狭い開き方の2通りがあります。開口部は製品にもよりますが、げんこつ1つ分程度のものです。
ちなみにこのタイプの窓は、引き違い窓の3倍程度の気密性があるとして、近年の高気密高断熱住宅では広く採用される人気パーツでもあります。
とくに特徴のある上側開きの内倒し状態では、窓枠の上面部分だけが内側に向けてわずかに開いており、窓下部分は外枠のパッキンそのものの位置に斜めになっています。このため窓を開けていても、上から吹き込むことが多い雨滴などが侵入しにくく、これ以上は窓が開かないため防犯性が高いほか、多箇所のロック機能もあり、子供のいたずらや転落なども防止できます。
また、これとは別の開き方である内開きにすると、窓全体が掃除しやすく、外側に向かっては開かないため窓外に屋外型のブラインドやシェードなどを設置しやすくなります。
非常に大きなガラス面をとることができ、さらにはガラス周りの気密性が従来製品よりも高いことから、遮熱断熱や防音効果にも優れるといわれています。比較的新しい窓パーツで高級物件を中心に設置されており、現在は窓の中では非常に高額の建材でもあります。
嵌め殺し窓の左右にドレーキップ窓、ツーアクション窓を配したものや、窓そのもの全体がドレーキップ窓、ツーアクション窓となっている物等が有ります。いずれもインテリア上は、絵画のワンシーンのような美しさと機能性を備えることもあり、各所で注目されています。