排水溝
雨水や生活水などの排水を流す溝のことをいいます
一般的によく使われる排水溝(はいすいこう)には、大きく2つの意味があります。
1つ目は、主に道路や敷地の端にある、雨水や生活排水などを流す溝のこと。用途や地域内の位置関係、流量設計などによってさまざまな幅の物があり、既製品ではコンクリート製で断面がU字の形をしたU字側溝などが一般的です。
住宅敷地内で水はけが悪いとき、住宅基礎周りに地盤改良用の穴あきパイプなどを埋めることがあります。ここからの雨水や浸透水からの排水を一時的に貯める目的で、コンクリート製のU字側溝や雨水桝だけを単独で(外に排水する配管は無)設置することがあります。
側溝や雨水枡は住宅基礎から離れた位置に設置され、内の水は設置された近辺の土壌にゆっくり浸透していくしくみです。
蓋つきと蓋なしのタイプがあり、蓋はコンクリート製や丈夫な厚地の鉄板製、鋼材の厚地のグレーチングのタイプでは、蓋上を歩行者や車両が通行できるものなどがあります。また、上を通行しないタイプでは、金網や樹脂ネットなどのものがあります。
地域によっては、雨水を集めるほかに下水道網の一部として使われており、まれに建物より高い位置に設置された立体建造物などを流路として通過しているケースもあります。
2つ目はベランダや廊下にある雨水や排水、浴室や水回りユーティリティールームにあるシャワーなどの排水を、最寄りの排水口(はいすいこう、はいすいぐち)まで集めるための溝のことをいいます。排水溝、排水口ともに同じ読み方のこともあります。
通常、専有スペース内のこれらの溝の清掃は、屋内屋外いずれでも入居者の責任となります。落ち葉やのゴミがたまりすぎると詰まりを起こし、排水がうまく行えず、最悪の場合ベランダからほかの住居への水漏れや、詰まりから周辺宅内への排水逆流などのトラブルも起こりえます。定期的な清掃で、予防することをお勧めします。
駐車場周りに排水溝がある場合、脱輪などの原因になる事もあります。車を運転する本人だけでなく、近くを通りかかる子供たちに向けた配慮も忘れないようにしましょう。
建物内外から出た排水は、一般的に地域の下水道網につながる汚水マス経由で処理されるか、敷地内にある浄化槽などで処理、地域によっては直接河川などに排水されます。また敷地内からでた雨水は、その種類や地域によって処理方法が異なっており、下水道網に排水され汚水マスとして処理されるか、雨水専用の雨水マスに接続され処理されます。
下水道整備率が高く、施設負荷が高い地域では、汚水と雨水としてしっかり分けて管理処理されているのが本来の姿です。
住宅の排水配管においては、現在暮らしている住宅や近隣住宅などで、この2つの配管系統が交錯しているケースなどもあります。こういったケースでは、大雨などで一時的に汚水マスに急激に流れ込んだ雨水が原因で、生活排水やトイレ排水が、地域下水道網の下部側にある住民宅に逆流するケースなどもあります。
徳島では、新興住宅地や下水道網末端のエリア、地方部を中心に、現在切替工事などが進みつつあります。
特に、長く暮らすことを前提に探す戸建て賃貸などでは、こういった事故がないエリアや物件かどうか、周辺や下水道配管周りに建物建設後の度重なる工事掘削などが見られないか、等をチェックするのがおススメです。