ユーティリティ
生活のソフト面を担う設備やそれらに伴うサービス全般のことです
お部屋探しの広告内には、よくユーティリティという言葉が多用されています。一つ目は、日常生活の家事などさまざまな作業を行う場所や設備で、二つ目は暮らしには欠かせない設備類の総称です
ユーティリティには大きく分けて2つの意味があり、1つ目は日常生活の家事など、さまざまな作業を行ったりそれを補助するための場所や設備のことを言います。2つ目は、暮らしには欠かせない、上水道や下水道、ガスや電気、電話などをはじめとしたさまざまな設備や備え付け品と、その維持やその設備を経由して受けるサービスなどの総称です。
1の意味では、住宅内にある洗濯機置き場や備え付け洗濯乾燥機、食品貯蔵設備や収納棚等、毎日欠かせない家事作業の中心部分を行うためのエリアや設備のことです。
毎日繰り返して何度も同じ動作を行う家事では、作業の合間の細切れ時間も多く発生し、社会で働いている人よりもタイムマネジメントや仕事の組み立てが重要です。このエリアの使い勝手や機能によって、家事作業導線や作業自体の量、快適さも大きく左右されます。
家事作業のうち、頻度の高いものを行う部屋として、専用スペースを設けて各種の家電や家具を設置する部屋は、ユーティリティー、ユーティリティールーム、家事室などと呼ばれています。また、水回りの内、食事を作る台所以外の部分、バストイレ脱衣室洗濯室などをまとめて、ユーティリティーエリアとも呼んでいます。
特に近年の新築物件では、父親にとっての城である書斎に対して、母親にとっての城である家事室や家事コーナー設置が一般的になりつつあり、間取り図の上でもUTやUS、家、家事といった表記が増えています。また、こういったスペースを家事とは限定せず、フリースペースとして表示している不動産広告なども見られます。
2つ目の意味は、暮らしに欠かせない水道、ガス、電気、通信といった設備の引込部やその設備自体のことです。または、それらを利用した家電や家具などと、これら設備を経由して利用することができるサービスや物資供給などの総称です。
これは英語でいう、公共性の高いサービス自体やその引込部などの建物内スペースをutility(outlet)と呼ぶところからきています。
集合住宅では建物全体への引込口のほか、各家庭ごとのメーターが設置されている位置や元栓が設置されている位置などをまとめて、ユーティリティーボックス、ユーティリティーなどと表示することもあります。
また、1つ目の意味に近い使い方で、共用エリアで住民たちが利用する、屋外水道施設やゴミの一時置き場、停電時の給配電スポットなどをまとめて、ユーティリティーエリアと呼んでいる物件なども存在します。
専有か共有か、そしてどんな運用がされているか等、図面や不動産広告ではなかなかわからない幅広い意味を持つのが、ユーティリティーです。内見時には、しっかりと確認をしておきたいものです。