一宮神社
いちのみやじんじゃ
一宮城の城跡も近い阿波国一の神社です
徳島市一宮町の一宮神社。道路を挟んだお向かいは四国八十八箇所霊場十三番札所の大日寺で、もともとは一宮神社の別当寺として置かれていました。そして一宮神社は国府町にある天石門別八倉比売神社の論社となっています。
ご祭神は須佐之男(スサノオ)に殺され豊穣の女神となった大宜都比売命と、天石門別八倉比売命。八倉比売命は天照大神の別名ともいわれ、一宮神社は衣食や農業、商売繁盛、そして安産や縁結びにもご利益があります。
「一宮」というのは、その地域で最も格の高い神社につけられる名称です。もともとは現在の名西郡神山町にある上一宮大粟神社が阿波国の一宮でしたが、地形の問題で参拝に不便ということで平安時代後期に分祠。こちらが一宮となりました。
しかしこの地は一宮城が近くにあるため、戦国時代の天正の陣の折には主戦場となってしまいます。一時は焼けてしまった一宮神社でしたが、蜂須賀家が阿波に来てすぐに復興に着手しました。その結果、承応2年(1653)に澄禅という僧が遍路に来た際には「拝殿は広く、殿閣もとても立派」という内容を書き残すほどで、今ではこの本殿は重要文化財に指定されています。
現在でも創建の頃に蜂須賀家が造った太鼓橋が見られます。こんもり丸い太鼓橋には「国が丸く治まるように」という願いが込められているそうです。
また、600mほど山を登ったところには一宮城跡が残り、徳島県下最大級の山城跡として大切にされています。
779-3132 徳島県徳島市一宮町西丁237
アクセス:一の宮札所前バス停より徒歩1分。札所前バス停より徒歩1分。
一宮神社の周辺地図