宅宮神社

宅宮神社は徳島市上八万町に鎮座しています。ご祭神は家宅建築の神「大苫辺尊」、五穀守護の「大歳神」、そして家運と商売繁盛の「稚武彦神」の三柱です。

神社内の掲示によると、大苫辺尊をお祀りするのは日本で唯一との宅宮神社。創建年は不詳ですが、延喜式神名帳には「阿波国名方郡の意富門麻比神社に比定」と記載されています。874年には従五位の神階を授けられ、現在でも名方郡12社を巡る「十二社詣」の第一となる名社とされています。

宅宮神社の境内は、趣のある神門に、たくさんの巨木がそびえる、なかなか威厳のある風格。その昔は樹齢千年余りの杉の巨木が並んで立ち、「夫婦杉」と呼ばれていましたが、ある年カミナリによって破損してしまいました。現在ではその根が掘り起こされ、夫婦そろって守護神としてお祀りされています。また、宅宮神社には神代文字で彫造した版字や、徳島藩14代藩主の蜂須賀茂韶公による神名額が所蔵されているそう。

境内社には朝宮神社、十二社神社、厳島神社があります。

そして宅宮神社では、毎年8月15日には「神踊り」が行われます。これは徳島県の無形民俗文化財、そして徳島市の重要習俗技芸に指定されているお祭りで、その歴史は古く平安時代の末に始まったとか。現在までしっかり引き継がれた12種類もの踊り歌を舞うことで、五穀豊穣や悪病退散を祈願するお祭りです。

アクセス：上八万小前バス停より徒歩2分。宅宮バス停より徒歩4分。