観音寺（国府町）

徳島市国府町観音寺にある観音寺は、四国八十八箇所霊場の第十六番札所です。町名は「かんのんじ」と読みますが、お寺の名前は「かんおんじ」と発音します。宗派は高野山真言宗で、正式名は「光耀山千手院観音寺」。本尊は千手観音菩薩です。そして脇侍像は邪気を払う不動明王と鎮護国家の毘沙門天なのですが、寺史によるとこれらの像はあの有名なお坊さんが彫ったとされています。観音寺の歴史は古く、開基したのは天平13年(741)。聖武天皇が行基に命じて建立したと言われていますが、その後弘仁7年(816)に、弘法大師が再建し寺の名前を定めました。その時に自らの手で本尊である千手観音像と不道明王、毘沙門天を彫像したと伝えられています。後に観音寺は長宗我部元親による戦乱「天正の兵火(1573～1592)」で罹災しましたが、万治2年(1659)蜂須賀家政によって再建されました。現在の観音寺の境内はこぢんまりしていますが、正面山門は二層になった鐘楼門。歴史と風格を感じさせる堂々とした造りです。また夜泣き地蔵尊や水子地蔵尊の他、お釈迦様の足跡を刻んだ仏足石や、弘法大師の修業時代の尊像である修業大師像も祀られています。

アクセス：観音寺北バス停より徒歩6分。栄町北バス停より徒歩8分。