空室
空いているお部屋のことです
空室は英語で、「a vacancy」もしくは「a vacant room」と言います。「vacancy」は空室、「vacant」は空いているという意味です。
ホテルや旅館などの場合は、宿泊客のいない部屋をさします。アパートや賃貸マンション、貸家などでは、人が住んでいない部屋のことを意味します。
賃貸経営をしていく場合に、把握しなければいけないのが「空室率」という考え方です。空室率は、賃貸不動産物件の未入居の部屋が全体に占める割合で、数値は計り方によって変わってきます。空室率には、大きく分けて3つの定義があります。現時点を基準とした空室率、稼働日数を基準とした空室率、実稼働家賃の空室率、の3つになります。このように目的や状況に合わせて、空室率を使い分ける必要があります。空室率とは空室数を全体の部屋数で割り出すシンプルなものです。現時点の空室率の算定は、あくまで「今」を切り取った数字といえます。主に、物件を購入する前などの市場調査時に利用され、多くの統計調査ではこの数値が用いられています。
より詳細な空室率を求める場合は、空室期間から空室率を導きます。年間を通して判断するため、より現実的な稼働率を想定でき、この数値は、主に事業計画などをシミュレーションするときに利用されます。
空室率の算出は、空室の数や日数ではなく、実際に稼働した家賃をもとに算出する方法があります。これは、満室想定家賃と実際に得た家賃収入から計算するもので、物件を購入後、稼働させてからの現状分析に用いられます。
総務省は、5年ごとに住宅・土地統計調査を行なっています。この調査によると、平成30年の全国の空き家数は848万9千戸、空き家率は13.6%となっています。
この数値は過去最高で、その中でも賃貸用空き家は、432万7200戸となっています。これは、全国の空き家総数の半分以上を占めていることになります。
賃貸用の住宅における空室率の推移としては、平成15年時点で17.3%、平成20年・平成25年には18.4%、平成30年では18.5%と右肩上がりとなっています。東京都の賃貸用空き家数を見てみると、57万9000戸で、これは全国の賃貸用空き家の約13%を占めることなります。この調査が開始された昭和58年から見てみると、26万9200戸だった空き家数は右肩上がりに増え続け、平成30年の段階で倍以上になっています。
今後も、需要と供給のバランスを考えれば、空き家が増加していくことが予想されます。人口減少が進んでいけば、必要となる賃貸物件も減っていくことになります。このように過去のデータから読み取ると、日本の空室率は年々増加傾向にあります。
現在その要因としては、新型コロナウイルスの流行や人口減少などが、主にあげられます。地方移住や田舎暮らしが注目されている地方にいたっても、この傾向は大体同じであると言えます。