縁側
和室の掃き出し窓外や内側に設置された、玄関や通路兼腰掛などとしても使える細幅の設備のこと
縁側(えんがわ)は現在では2つの意味があります。
1つ目は昔ながらの日本家屋にある、和室の障子外、掃き出し窓の中に設置された通路として使用される細幅のスペースのことです。現代では「和室の廊下」などとも呼ばれます。2つ目の意味は、旧来の濡縁(ぬれえん)のこと。
和風建築から徐々に洋風建築が主流となるにつれ、この縁側のある掃き出し窓の外側に設置される、細幅のウッドデッキのような設備=濡縁のことも含めて、両者はともに縁側と呼ばれるようになってきています。
1つ目、旧来の縁側は、物を乾かしたり、農産物を一時保管したりといったさまざまな作業スペースとしての役割で非常に重宝されてきました。建てられた時代や物件によっては、外部からの侵入者を防ぐ役割や、薄い障子しかない和室の断熱を担う役割もあり、汎用性が高く交換しやすい木材や竹などを加工した材料で、床や扉が作られている物もありました。
また、2つ目の縁側(濡縁)は、製材された木材の他、間伐材などの細身の木材を組み合わせたり、竹を組み編んで作られることも多くあります。庭先作業の休憩スペースや、旧来の縁側に上がる際の補助階段の役割のほか、宅前で来訪者を接待するコミュニケーションスペースとして等、いずれも多彩な機能を持っていました。
現在は、洋室の掃き出し窓にこの濡縁などを作りつけたり、出来合いのベンチを購入して設置するといった物件も多く、その便利さが見直されてきています。