楽器相談可
楽器の種類などを相談した上、一定条件下で設置や使用が可能な物件です
ファミリー物件や学生向け物件、音楽大学近隣の物件では、お部屋探しの物件詳細に「楽器相談可」という表示がみられることがあります。
これは、あらゆる楽器すべての時間帯で、無条件で楽器の設置や演奏が可能という事ではなく、入居に際して設置使用できる楽器の種類や演奏可能な時間、条件などが決められているものです。
通常、賃貸物件の場合、楽器の中でも特に大型のピアノなど重量物の設置に関しては、事前に管理会社の許可を得る必要がある物件がほとんどです。
というのも、特に木造住宅などを中心に、重量物であるピアノをお部屋に置くことで建物が重量に耐えるかどうかや、ピアノ搬入に際して建物などを傷つける可能性が無いかといった心配があるためです。
特に楽器の中でも、アコースティックピアノやハイブリッドピアノを設置できる可能性のある物件には、通常、不動産広告内に「ピアノ可」「ピアノ応相談」のように書かれています。ですが搬入時には、グランドピアノをはじめ窓などからクレーンで吊り上げて専門業者での搬入を行わなければならないものも多く、かなりの狂いが生じてきます。他にリフト車での搬入が必要な楽器としては、ティンパニーなどがあります。
また、ピアノ可と書かれていても、ピアノをはじめとするさまざまな楽器が設置できる物件もあります。
最近はアコースティックタイプの楽器の他、さまざまな電子消音ユニットを備えた楽器や、電子タイプ楽器も増えています。
ほぼ空気中に振動が発生しない電子タイプ楽器〜たとえば鍵盤だけのタイプ(ポータブルキーボード型)の電子ピアノや、ペダル部の浮いた小型電子ピアノなどでは、設置に関して事前許可が不要というケースもあります。
ですが同じく電子タイプ楽器ペダルユニットが無い楽器でも、打面へのアクションだけで振動が大きく発生するタイプの電子ドラム等や電子マリンバなどでは、十分な敷パッドなどを別に用意して床面や壁面への衝撃を抑えるようにしなければ、設置演奏は不可というところもあります。
弦楽器でも、特に大きさにかかわらず、大きなあるいは小さな特定周波数の振動が発生します。同じ室内や近隣では聴こえなくても、それが離れた周辺部屋や建物に伝わることもあります。室内演奏では基本的に、事前に相談が必要です。
楽器可と書かれている物件でも、すべての楽器の設置や演奏がOKというわけではなく、事前の楽器届け出制や要相談といった物件もあります。
アコースティックタイプでは、金管楽器や弦楽器でも振動が大きく発生し、物件内だけでなく近隣などにも音が漏れやすいことから、サイレントユニットを付けたものという条件が付くことが多くあります。
また設置や演奏の条件として、電子楽器でヘッドフォンでしか利用できない場合や、アコースティックピアノやハイブリッドピアノではミュートやサイレントユニットを常時つけた状態でなければ利用できないといった物件もあります。これには、楽器によっては部屋の消音遮音機能では効果があまり得られにくいからといった事情があるケースもあります。
楽器OK物件の場合でも、各部屋に防音室や消音遮音機能が無い物件の場合では、楽器を使用しても良い時間にかなりの制約があるといった物件も数多く存在します。
徳島県内にも、防音スタジオ付きの物件はありますが、あまり数は多くはなく、利用できる楽器の種類も限られます。また、管楽器や弦楽器を利用される方では、防音ブースを室内に組み立てたいという方もあるかもしれません。
これらも設置には、事前に不動産会社や大家さんへの相談が必要です。振動や原状回復のことも考えると、ブース自体を弾性パッドなどの上で組み立てる方が、あとあとトラブルが少なくて済みます。
いずれも、必ず事前に、どういった楽器を持ち込んで使用したいか、楽器や書籍等の重量はどのくらいかといったことを確認したうえで、不動産会社や大家さんに相談しておきましょう。
通常楽器演奏等が可能な物件では、演奏可能時間や楽器のモードなどの制約が、規約として存在しているものが一般的です。騒音など、物件内外のご近所騒音トラブルを回避する為にも、規約を必ず遵守しましょう。