床の間
掛け軸や置物、花瓶などを飾る為のスペースです
掛け軸や置物、花瓶などを飾る為のスペースで、来客時には、床の間に近い位置が一番和室内で格上になります。
戸建て物件や分譲タイプマンションなどの間取り図で、和室の中に床の間(とこのま)とかかれた、奥行きが小さいスペースがみられることがあります。この床の間は、特に昔ながらの伝統建築の和室に多きみられるもので、掛け軸や置物、花瓶などを飾る為のスペースです。
居室部分の畳1枚分の短辺よりも奥行きが浅く、敷居1枚程度以上の大きさで一段高い位置に、上質な一枚板や天然木の高価な柱などをつかって、飾り棚などを含めて造作されている設備です。
基本は、掛け軸などを飾れるコーナーがある物件がほとんどですが、障子や彫刻欄間などを配したタイプも存在します。仏壇などをこの周囲に設置することもあり、和風の建築物では床の間の出来や材質が、大工の腕やそれぞれの世帯の格付けを決定するとも昔は考えられていました。
通常、和室のあらゆる入口から見て一番奥まった位置に設置され、和室の着座位置ではこのスペースに最も近い位置が、一番の上座となる設計が一般的です。
床の間を日常的に足で踏むことは通常禁じられており、掛け軸をかけ替えたりといった時にも、出来るだけ木材部などは踏まないよう、人によっては新しい靴下などに履き替え、軽い潔斎を行ってから上がるよう心掛けるのがマナーです。
マンション等現代物件の床の間の場合、一般の和室の床の間とは異なり、宙に浮いた和風の飾り棚や、収納可能な畳つきボックスなどを配置する場所を床の間と呼んでいることもあります。
また和風インテリアの洋室内で、一部飾り畳や変わり畳などを敷き詰めたスペースを、床の間などとして表示している物件もあります。
現代物件の床の間等の用途は、一般的な和室の床の間と同じものを基本として、床部分は来客や収納物に合わせて柔軟にアレンジできる点で異なっています。