二人暮らし
新婚夫婦やカップル、兄弟姉妹、知人やルームメイトと2人で一つ屋根の下に住むことです
旧来の日本から比較すると、現代人の生活スタイルはバリエーション豊富。
さまざまな新しい生活パターンも増えて、家長と妻、子供からなる世帯以外の暮らし方も増えました。
二人暮らしといえば、昔はほぼ新婚夫婦だけのものでしたが、現代では結婚を前提にお付き合いするカップルや、独り暮らしでは不安なことも多い兄弟姉妹や知人同士、リーズナブルに広い空間で暮らしたいルームメイトなどと二人で生活をスタートされる方もいらっしゃいます。
通常不動産は、一世帯やその親子世代の親族を含めた家族単位か、単身者単位で契約利用を行ってもらうものとして、契約が進められるものがほとんどです。苗字や戸籍がことなる二人が暮らす場合、婚約者や兄弟、血縁関係などを表す書面などをそろえたうえで、通常の不動産物件とは異なる審査を経て契約するのが、以前はごく当たり前のことでした。
新しいスタイルの暮らし方を受けて、現代では二人暮らしOK、二人暮らし可といった物件も増えています。
物件によっても、契約や審査などどの部分が対応しているのかは異なりますが、物件の賃貸契約に際して、物件の契約者や使用者を二人の別々の人物として契約できるというタイプのものなどは、とくに新たに増えてきたものです。
中には、旧来多い契約のように、実質二人で暮らせるものの、契約上はいずれかの一人が契約者となり、その人物が家賃支払いや契約更新などを行う形となるといったタイプのものもあります。
兄弟姉妹や親類などの二人が暮らす場合には、入居する二人以外の親などが契約者となり、責任をもって居住させるという形をとることもあります。
契約書の各条項に記載されているものは、一般的な不動産契約や民法の規定を上回る効力を持っています。
そのため、契約書内に、「契約者の内1名が退去する場合契約がその時点で終了する」、「1名が退去する場合、残り契約期間分については新たな審査や契約を結ぶ」といった条項があれば、そちらが優先されます。
同じ不動産の契約書でも、通常の不動産契約とは異なり、保護される部分などが異なってくることが多いことには、事前に留意しておきましょう。契約書上の契約者と使用者が2人でも1人でも、不動産会社や管理会社には実際の居住する人物を届け出る必要もあります。
二人暮らし物件でも、カップルの場合と、兄弟姉妹やルームメイトの場合では、間取りによる使い勝手はかなり異なってきます。
カップルの場合、人気がある間取りは、新婚生活や家族生活を視野に入れたリビングや寝室その他を完全に同一としたもの。個室スペースなどは不要とおっしゃるお客様も多いのですが、お二人の間にトラブルなどが在った際のことまで考えて、家庭内別居を視野に入れた物件が絶対条件という方もまれに見られます。
あくまでお二人の互いを想う気持ちと、これから長い人生の忍耐と練習のバランスによるといいたいところですが、お二人の間の利用シーンをしっかりと思い描いて、譲れないポイントをすり合わせて物件をお選びいただけるのが一番です。
お付き合いの長いカップルなら、二人の動線が完全に重なるように共用スペースを広めに。かつ個室不要で1DK〜のお部屋が人気です。また、在宅勤務や学校などもあるため一人部屋も重要というカップルなら、それぞれの個室は譲れない条件として3DKや2LDK〜といったお部屋が人気です。費用をできるだけ抑えたいというカップルでは、2DK物件で十分という方もいらっしゃいます。
独り暮らしとカップルの二人暮らし物件選びのポイントとしては、職場や学校などから双方ともにバランスの良い距離感や生活圏を意識した立地。お風呂やトイレ、台所機能の一緒別や、二人暮らしになって大きく様変わりする日々のお掃除のしやすさなどがとても大切です。
また、互いの私物を収納できるスペースの広さや、それぞれに鍵のかかったスペースが必要かどうかといった点もとても重要です。
ちょっと変わったところでは、欧米での夫婦間契約の影響を受けて、夫婦二人暮らしで財産や家事などについてその範囲を目録で規定している場合などもあります。この場合、家賃支払い等について細かな取り決めを盛り込んだ上で、賃貸借契約などの各種不動産契約を結ばれる方もあります。
カップルの中でも入籍を伴わないご夫婦などについては、同居の家族と同様の契約を結べる物件と、そうではない物件などがあります。
兄弟姉妹やルームメイトとの二人暮らし物件では、完全に個としての利用を念頭に置いたお部屋探しをされる方が圧倒的多数です。
いずれも、片方は学校、片方はお勤めなどの世帯も多く、お互いの生活時間や集中できる環境を大切にするために、鍵のある個室優先という方が多いようです。2LDK〜といったお部屋が人気です。
お子様の学生生活スタートとともに、ご両親のうちいずれかが同居するというご家庭もあります。この場合も、同様に鍵のある個室優先で、共有部については柔軟な条件でお部屋をお探しの方が多いようです。
ルームメイトと暮らす物件では、二人が親しい間柄の場合もあれば、単に家賃シェアの目的でほとんどお付き合いがない場合もあります。また、互いに、友人知人を家に連れてくるといった利用も考えられるため、共用部が充実しており、LDKや玄関を中心に、振り分け型間取りで個室同士が隣り合わないタイプが人気です。
その他の二人暮らしの場合とは異なり、常にお互いの生活動線がかさならないような配慮が必要となる…といえばわかりやすいでしょうか?
プライバシーをとくに重要視するために、個室の鍵自体も、しっかりとしたタイプがすでに設置されている物件がある他、脱衣室や風呂なども内側から施錠できるタイプも存在します。
二人暮らしで生活をスタートさせるにあたっては、お試し同居か、学生などのあらかじめ決まった期間だけの同居か、これから末永く同居する以外にはないといったさまざまなケースがあります。またそれにより、互いのすでに持っている家電製品や家具などの保管場所や、廃棄売却といった処分が必要となる場合もあります。
いずれにせよ、物件自体は契約の上でも、間取りやお部屋探しの部分でも、大家さんや不動産管理会社の考え方により、かなり想定されている範囲や、条件自体が異なっている特殊な賃貸契約と考えておきましょう。