打ちっぱなし
土台や外壁基礎として使われるコンクリートをむき出しにした内装等のことです
打ちっぱなしとは、通常建物の足元土台や建物を支える構造、外壁、各戸の仕切り壁などの土台として使われているコンクリートを、あえてそのまま見せるようにした内装などのことを表します。打ちっ放し、コンクリート打ちっぱなし、コンクリート壁などとも呼ばれています。
通常、アパートやマンション等では、床下や床、外壁下部や、柱や構造壁他さまざまな見えない部分を中心に、コンクリートが使われています。
外壁では、この上から塗装やサイディング、タイル貼りなどを行って仕上げます。内装、室内では内側に断熱材や柱を立て、ボードやクロスを貼ったり、塗装をしたり、珪藻土や漆喰などをつかって表面全体を覆い仕上げていきます。
ですが打ちっぱなしでは、あえてラフなコンクリートのままの表面です。中には、通常の構造用途と同じ施工方法でラフに仕上げずに、プレートなどをつかって滑らかできれいなコンクリート面にしたり、化粧仕上げ用のコンクリートを上から塗り、ニュアンスの有る壁面に仕上げる方法もあります。各部屋や水回りの壁面、床面、天井面の他、外壁などでも多く見られます。
無機質な印象があり、和洋あらゆるデザインと親和性もありながら、ライティングやインテリア小物によってはそこだけを切り取ったように目立たせることもできます。
サイズ的にも統一感があり、直線的な既製品の建材と同じようなかっちり感がありながらも、仕上げ次第では逆にムラやラフな線が出せることなどもあり、建築家が個性を発揮しているデザイナーズ物件などでも多用されています。
古くは打ちっぱなしといえば、コンクリートの中や内側には断熱材を用いない工法が多かったことから、夏はコンクリートが蓄熱して暑く、冬も同様に寒いといったイメージがありました。ですが現代では、さまざまな工法の工夫もあり、打ちっぱなしだから暑い寒いといったことはあまりありません。
お部屋探しの際には、断熱材の有無や鉄筋の露出があるか、リフォームによって以前の内壁や床材を外したことによる打ちっぱなし物件なのか、といったことをしっかりチェックしておくのがポイント!
ちなみに「打ちっぱなし」の語の由来ですが、建築や建設現場では、コンクリートを施工することを「コンクリートを打つ」といいます。これは、ゆるいペースト状になったコンクリートを型枠の中に流しこんでいく姿が、ひしゃくやホースで水を打つイメージと近いことに由来するからとも言われています。
同様に、日本料理や菓子などで、型枠の中に生地を流し込むことも、生地を打つと表現されることがあります。