砂利敷き
玄関アプローチや住宅の外壁周りには、防犯や湿度調整等のための砂利を敷くのが一般的です
日本は年間を通じて湿度が高く、降雨がひとたび発生すれば、基礎周りの土壌から水分が抜けにくくなることも多くあります。
激しい雨が降ってきた時や屋根からまとまった水が落ちてきた時は、外壁への泥はねも心配な点です。これを防ぐ為に、建物外壁をぐるっと取り巻くように、幅1〜2mほど砂利を敷き詰めておくのが一般的です。
これを砂利敷き、砂利引き(じゃりじき、じゃりびき)、犬走り(いぬばしり)などと呼びます。
ご存じのように砂利は、石ころ1つでは蓄熱性や保温性は高くはないものの、まとまってある程度の厚みや量が存在すれば、少ない日光からしっかりと熱をため込んでくれます。これが、砂利の間の間隙、乾きにくい土壌の通風とも相俟って、水分を外に逃がしやすくしてくれます。
また、建物に侵入するために外壁に近づけば、踏んだ砂利の音が鳴ることから防犯の役割からも砂利敷きは欠かせないものでもあります。
ですが、あまりに湿度が高い状態が続いたり、長年砂利が踏み固められて間隙が少なくなっていれば誰かが載っても全く音がすることもありません。さらには、やぶ蚊などの虫が発生する原因や、飛んできた種が大量に発芽することで石ころ一つずつの間を塞ぎ、砂利敷きのメリットが全く生かせなくなることも考えられます。
最近は、より通風性を高め、小さな衝撃で大きな音が鳴る防犯砂利や住宅外構周りの専用砂利といった工業製品も多数販売されています。
また、砂利を敷く前に、通光性や透水性を低く抑える防草シートを二重にして敷き詰めておくと、雑草が生えてこないためメンテナンスもラクラクです。防草シートには、農道や畔道やその他エクステリア設置の際によく利用される通気性のないタイプもありますが、住居周りに砂利を敷く際には通気性があるタイプがお勧めです。
特にマンションやアパート1階や、戸建て賃貸住宅などでは、砂利敷きになっていない場合、大家さんや不動産会社の許可を得て、こういったアイテムを敷き詰めるのも良いかもしれません。
多くの世帯では、新築後数年内に1度砂利を追加。その後は、降雨や踏み固めなどの状況に応じて、5年から10年くらいの間隔で砂利を継ぎ足していきます。一般的な2年更新などの賃貸戸建てでは、契約にもよって、入居者と大家さんどちらが費用負担するかが異なります。