八幡神社(伊賀町)
キツネもタヌキも祀られる富田八幡宮
徳島市には複数の八幡神社が存在しますが、伊賀町に建つこちらは「富田八幡宮」また「伊賀町の八幡さま」の愛称で親しまれる由緒ある神社です。
富田八幡宮は、徳島藩主の蜂須賀家が城の鎮守として整備した徳島市中五社のうちのひとつです。もともとは伊予国河野郷(現在の愛媛県松山市)にある氏神さまでしたが、天文年間(1532~1555)に阿波国へ、さらに元禄10年に瑞厳寺の創建に際し現在の地に移されました。
富田八幡宮の主祭神は、仲哀天皇と応神天皇、そして仁徳天皇の三柱です。順に日本の14代、15代、16代天皇であり、おじいちゃんから孫の関係にあたるこの神様たちですが、古事記にかかると少し話が違ってきます。
仲哀天皇はヤマトタケルの第2子という、なかなか立派なお家柄。そして神功皇后との間に生まれたのが応神天皇です。にもかかわらず、古事記では応神天皇は神功皇后と神さまとの間に生まれたことになり、半神半人となっているのです。なぜか存在を消されてしまった仲哀天皇、ちょっとかわいそうですよね。
富田八幡宮のご利益は薬再除け、子孫繁栄、そして所願成就です。
隋神門は江戸中期に建てられた三軒一戸の切妻造りで、徳島市の指定文化財に登録されています。
境内には家神社、水神社、稲荷大明神などの境内社があります。稲荷大明神とはキツネの神さまですが、こちらにはタヌキの神さまもお祀りされています。実は徳島にはタヌキの神さまがあちこちに祀られているのですが、これは徳島に伝わる「阿波狸合戦」が由来となっています。総勢600匹のタヌキの大戦争なのですが、戦いで命を落としたタタヌキたちがみんな神さまとなっているのです。
富田八幡宮には、ほうろく大明神と八兵衛大明神、そして六兵衛大明神と大岩大明神。4匹のタヌキの神様が、それぞれ違ったご利益を授けてくれますよ。
またこの辺りは江戸時代から伝わる水場のひとつで、八幡水という湧き水を汲むこともできます。
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