指紋認証キー
鍵部分に指を載せて認識させて、ドアや郵便受け扉等を開錠するタイプの鍵です
自治体や警察がSNSで注意喚起するケースも増えたように、近年、空き巣の被害が増えています。とくに昔のタイプの鍵の中には、カギを持っていなくても簡単に開けることができるタイプも見られます。
そんな流れを受け、現在マンションアパートや戸建てなど賃貸物件においても、生体認証を鍵のシステムに組み込んだタイプが、積極的に導入されています。
たとえば、オートロック部分に取り付けられたカメラに、顔をしっかり読み込ませて光彩や顔立ちなどで判断するタイプや、手のひらを押し当て血管や指紋などを読み込ませて個人を識別するタイプ等が有ります。銀行のATMやスーパーコンビニのレジでも、この各種カメラやスキャナを使ったタイプは多数増えてきているため、見たことがある方も多いかもしれません。
その中で、比較的シンプルで小型のシステムが多いのが、指紋認証キータイプです。
入居時に、鍵の機械や書類などで指紋を登録しておくことで、カギ設置部分を通る都度、指をスキャナにあてて読み込ませることで、開錠してくれるものです。
指紋認証は生体認証の中でも古くから存在することもあり、各社とも非常に精度が高い製品が多いといわれています。
指紋認証システムには、長所も欠点もあります。
長所としては、カギを持ち歩かなくてよいこと、またコピーされた鍵などで開錠されることがほぼ無いことです。欠点としては、指のけがなどが在った場合読み取れなくなるタイプのものがあることや、シリコンなどでほぼ本人と同じ指紋などをコピーしたときには開錠されてしまうことがあることです。またそれ以上に問題なのが、利用者の多くがなかなか開錠されないからとして、精度を下げた設定で鍵を運用してしまい、明らかな別人にもかかわらず鍵が開いてしまうことです。
そのため、お部屋探しの際には、比較的新しい上位タイプのシステムで、信頼できるメーカーのものが設置されていることを基準にして選ぶことをお勧めします。下位モデルでは、読み取り面や認証のしくみがシンプルですが、上位モデルではすべての指を読み取るものや、指先の指紋の凹凸以外の特徴もあわせて読み取って判別するものなどが在ります。こういったタイプでは、ほぼなりすましによる開錠はできないとされています。
これらの仕組みは、高い安全性を確保するという意味もありますが、出入りの都度取り出さなければならない鍵の手間を省く効果もあります。
小さなお子さんがいる家庭でのベビーカー利用時や、シルバー物件での車いすや歩行器使用時、大きな買い物などが在るときにも、非常に重宝されています。
指紋認証キー方式のうち、各戸のドアなどに設置するタイプの物の中には、ドア自体に電気の配線を行って、大掛かりな工事が必要ない新しいタイプのものも存在します。電池式等のタイプは、登録できる人数は限られることが多いものの、中には、ドアなどに一切傷をつけずに設置することができるタイプもあります。
また、ドアだけでなく、引き戸タイプに設置できるものもあります。
新しいお部屋での生活を始めるにあたり、こういったタイプの鍵の利用を始めてみると、安心につながるかもしれません。