押し出し窓
窓枠の下部側が外側に向かって開く窓で、突き出し窓やすべり出し窓等があります
水回り、とくにお風呂場や脱衣室、キッチン、トイレをはじめとした小さなスペースは、一度使うと水分が抜けるまでかなりの時間がかかります。在宅時常時は常時窓を開けておいたとしても、温度差ができやすい窓周りを中心に、結露のようにびっしりと水滴が付着してしまって困った、というお話を聞くこともしばしばです。
こんなとき便利なのが、窓の下部側が建物外に向かって開くタイプの小窓である、押し出し窓や繰り出し窓です。
窓や建材業界では、このタイプの窓を、突き出し窓やすべり出し窓と呼んでいます。また、滑り出し窓が2つから4つ程度が1つの窓枠内に連結されており、それぞれ開閉できるタイプの窓は、オーニング窓と呼ばれています。
突き出し窓は、窓枠の上部が蝶番のように固定されている物で、窓枠の上部を軸として、下側だけ開閉することができます。繰り出し窓は、この窓枠上部部分の軸にあたる部分が、窓枠左右に支えられたスライド蝶番によって浮くように動き、下側だけ開閉することができます。
各メーカー製品や、開き角度の設定にもよりますが、通常の窓とは異なり、窓枠全体が開口部となる物ではなく、一部だけが開くタイプです。
以前は水回り中心に使用されていましたが、最近は大きな製品なども増えた、窓を閉めた状態ではすっきりとした四角形で額縁のような開放感があることから、屋外風景を借景としたいお部屋など、様々な場所に使われるようになりました。
突き出し窓やすべり出し窓の中には、これと同じ仕組みで、開口部が左右どちらかになる縦型タイプもありますが、いずれも外側に窓が開くため、通行人等には十分配慮が必要です。
この窓とよく似たもので、窓枠の上側が外側に開く外倒し窓。窓枠の上側が内側に開く内倒し窓があります。また、同じくマンション等の水回り空間や廊下側に面した窓に良く採用されている、1つの窓で縦軸方向に対して開く内開きと窓枠の上側が内側に開く内倒しの2つの開け方ができるツーアクション窓などがあります。
これらよりも開口部が小さく、開く時にも周囲のスペースをあまり気にしなくてよいものとして、ガラスの羽根板が90°前後までの範囲で回転することでブラインドカーテンのように開閉できるガラスルーバー窓やジャロジー窓があります。
いずれのタイプも、窓枠の内側に金属フレームが入らない面積が大きいほど、窓ガラスを割って侵入する窃盗犯が多いといわれており、自治体などの防犯対策では重点的にチェックされている部分でもあります。