戸襖
和室に面した片側を襖に、もう片面は板戸やクロス戸等にした扉の事です
扉のうち、和室に面した片側をふすまに、もう片面は板戸やクロス戸等にしたものを、戸襖と呼びます。
押し入れのふすまのような引き戸タイプの戸襖引戸と、ドアノブ等が付いた洋ドアタイプの戸襖ドア等があります。襖というだけに通常はいずれも室内建具です。
建具屋や大工仕事で作られることが多いと思われがちですが、大手建材メーカーなどでも様々なタイプの建具パーツとして販売されており、大型物件でも統一した見た目で、各部屋をアレンジすることができます。
戸襖という言葉のもう一つの使われ方として、襖の土台にベニヤ板やコンパネなど丈夫な板が入ったもののことも呼ばれます。オーソドックスなタイプの襖の構造といえば、内部に障子のような軽い木枠が張り巡らされており、その上に和紙紙、繊維などでできたうけ紙や下張りを施したものなどです。これらは、本襖や和襖と呼ばれてきました。
戸襖は板襖とも呼ばれており、それだけで「丈夫な襖」といった意味があります。
さらには、結露が気になる現代高気密住宅でも丈夫で長持ちする、発泡スチロール襖や段ボール襖なども販売されており、これらは量産襖や工場製襖などとも呼ばれています。
日本の建築材料の多くは、在来工法から現代のプレハブを中心とする工法にあわせて大きく変化しました。その中で、呼び名と表される姿自体も大きく変わり続けています。
襖のはり替えに際しては、真ん中には糊をつけず周囲にだけ糊をつけて浮かし張りをする本襖や和襖の中でも、和紙や布、合成タイプで、剥がせない糊を使っていないものは、霧吹きをして以前の襖紙を剥がし、交換して貼り付けることが可能です。
ですが、最近ホームセンターなどで売られている、全面糊付のタイプやビニールクロスタイプなどについては、新たな襖紙を上から追加して貼り付けていく、重ね張りとなります。現代建築のふすまは、昔の本襖や和襖とは異なり、枠部分は分解することができないものがほとんどで、その場合も重ね張りとなることが多いようです。