ログハウス
丸太や、カットした天然木を組み合わせた構造をもつ建物です
ログハウスとは、丸太や天然木を角材などとしたものに切り欠きなどを入れ、横方向にしっかりかみ合わせながら組重ねることで、構造を強固にした建物のことです。
樹皮や木材を無垢のままカットしたスタイルになっているものが多いのですが、この見た目ではなく、無垢材を構造材として生かすことで壁面の厚さや強固さを出すという建築工法の名前でもあります。
英語でカットした丸太をログと呼ぶところから、丸太から派生して、1本木から生まれた角材による建物などが追加されて現在の呼び名となっています。またここから更に派生して、強固な天然木の無垢カット材に切り欠きを入れ、1本の太い丈夫な柱のような材として組重ねていくものについても各社から、ログハウスの一種、積み木型ログハウス等として販売されています。
もともと地球の歴史上で、現代人に近いより進化した人類が多く暮らしているといわれる中緯度帯では、石材を採掘するより樹木を伐採する方が容易、という地域が多く存在してきました。石材や土レンガ、土に比べると簡便な道具で、かつ短期間で加工できることから、中緯度帯の各国では太い木材で丈夫な構造をつくったログハウスが古くから存在しています。
現在確認できる世界で最も古いログハウスは、紀元前1500年ごろのユーゴスラビアの物件です。
日本最古のログハウスづくり物件といわれているのは正倉院宝庫で、約1250年前のもの。その後、明治初期に入り、屯田兵の住宅として、すでにロシアで普及していたログハウスの建て方で、ロシア人ログビルダーによってログハウスが建てられたといわれています。
日本での家屋における木材利用状況では、江戸時代までの都市部や集落では火災などが多いことと、破壊防火などを多く行う関係で、日ごろの生活では強固ながら、こつを知る人間には比較的破壊しやすい軸組構法であり、かつ自然に還りやすい草、土、木等のみから成る建物が、多く作られてきました。また地方では、その土地ごとに得やすいタイプの、より軽量な柱などをベースにした特殊な資材を生かした物件が多く見られました。
現代にくらべ、より狭い範囲のローカル色を活かした素材による建物が多かったこともあり、正倉院以降、木をふんだんに使った構造であるログハウスは、長きにわたり数多くは見られなかったと考えられています。
ログハウス工法の物件は、1本ずつのログが一般的な在来工法住宅や2×4住宅の柱に比べても非常に太く長くなっています。これにより、重量と厚みがあり、一般的なさまざまな建て方の建物に比較して外気温が伝わりにくく、金物などにより表面だけを繋ぐものではないため、地震などに対しても強靭であったといわれています。
また一方でログハウスでは、切り出してから比較的新しい木を使うことも多いため、反りなどが出やすいといわれています。ですが、大きく強固な切り欠きなどを井桁に組み合わせることにより、お互いに反りあう木の性質で通常よりも強固なかみ合わせを確保してもいます。
それでも一部には、経年変化や乾燥、地盤の変形等により木材と木材の間に隙間ができたり、乾燥が十分ではない木材の中に虫などが住み込むことで食い荒らされたり生活の中に外注等が入ることもあります。
ですが一般的には、内側に化粧壁を貼らない仕上げのログハウスの方が多く、外壁=内壁で同じ材の表裏にあたるため、メンテナンスがとても容易です。
ログハウスのすきまの補修では、コーキング剤にもよく似た、弾力性の高い「チンキング剤」を隙間に埋めていきます。コーキング剤は伸びる性質と接着力がありますが、チンキング剤はこれにプラスして圧縮された際にも強いという性質があります。一般の建材とは異なり、重く、かつ重要な構造部材を直接積み重ねて施工するため、各ログ同士がぶつからないようにクッションの役割も果たしてくれます。
防虫には、ホウ酸塩という物質を使用するのが一般的です。これは、一般のホウ酸に比べて、傷のない皮膚からは鳩首しづらく、皮膚炎などを起こすことが少ないため、小さなお子さんなどがいるケースでも安全だとされています。腐敗菌や、白アリのように木を食べる害虫の場合では、死に至らしめるため、木材を守ってくれます。
こういった処理の上から、建物に色を付けたり木材に塗膜をつける目的でステインやペンキなどを塗ることがありますが、この場合、塗装面の下で腐敗や卵の残っていた害虫などが発生する可能性もあります。
この両方とも、通常ログハウスを施工する際にも、各部に使用されています。
地震はもちろん、火事などの際にも優秀です。スウェーデントーチなどを使ったことがある方ならご存じのように、丸太など分厚く大きな塊の木は、着火できてもすぐに炭化面を形成するためなかなか燃え尽きることがありません。内部まで延焼しづらいこともあり、準耐火建築物として認められています。
多くの人のイメージでは、「ログハウス イコール ナチュラル系やカントリー系、リゾート系インテリアしか似合わなさそう」と勘違いされがちですが、最近はさまざまな間取りのデザインがあり、一見したところログハウスとはわからないようなタイプの物件もあります。更には水回りをはじめとして、居室部分にも内壁を別に立てることができるタイプを用意している業者もあり、インテリア上ではさまざまな楽しみ方ができます。
徳島県内で見てみると、もともと緑豊かで木材生産も全国22位と盛んなこともあり、売買、賃貸物件とも、本格ログハウスからログハウス風インテリアの物件迄種類が豊富です。戸建てからアパートの内装をログ風のナチュラルウッド仕上げにしたもの等も、他県に比べてバリエーション豊かです。
新しい生活スタイルが浸透してきたことにより、さまざまな都市部から自然をもとめる移住者も増えています。徳島の自然を感じさせるログハウス物件は、豊富ながらなかなか好条件物件の空きが出ない、といったお声もよく聞かれます。
せっかくの徳島暮らし、ログハウス物件をとお考えなら、スケジュールには余裕をもって、ぜひ徳島密着の地元不動産会社、ハウスマイルにご相談ください。