カラン
水道の蛇口とも呼ばれ、水が出てくる終端部分の管のことです
カランとは、お部屋内外のみずまわりや屋外散水栓など、上水道につながる水道栓を開閉したときに水が出てくる部分、すなわち一番終端部分にある口金、管のことです。
カランの他にも、吐水口(とすいぐち/くち)、吐水部、蛇口(じゃぐち)、吐水パイプなどとも呼ばれます。また、蛇口スパウトと呼ばれるタイプの製品のこともあります。
もともとオランダ語からきているといわれ、鶴=kraanが語源とされています。これは、古く日本で使われてきたカランが、金属の管を曲げることで安定した流量を確保し、吹き出しや飛び散りを抑制する形状だったこと=動物の鶴の首部分に似ているということのようです。
またこの部分は、上水道管と水が出てくる位置との間を水封する働きも持っています。
現代では、上水道システム内の各部そのものの品質が上がり、水中に極端に空気や大きなゴミが入り込むこともなくなり、カラン自体は様々な形となりました。そのため、もともとの鶴がイメージできないほどに変化しています。
このカランは、水道栓という回転型やレバー型、プッシュ型、電気式ボタンタイプ、ボールタップなどで操作することができる、色々な水栓の先についている中空管の部分です。
水道栓やカラン周りでは「名称がわからない」と良く言われている「水栓を操作するために手で触る部分」は、その方法によって、単水栓(横水栓、立水栓)、湯水混合水栓(シングルレバー式、ミキシング式、サーモスタット式など)など付属する「レバー」「ハンドル」「ボタン」などと呼ばれます。
水道栓によっては、1つの水道栓でシャワーとカランのどちらから水を出すかが切り替えられるものもあります。
また、公共の場所の屋外などに設置されることが多いカラン周りでは、普段、あえて手で触れて開閉しづらいように、これらのパーツが付いていないこともあります。
操作するには、カギやコマと呼ばれるハンドルのようなプレートや、長いレバータイプの止水栓キー、ハンドルをかぶせて、あるいはプライヤーなどで軸を直接回して使用します。ですが、長い間利用されていなかった水栓は、工具で回すと壊れやすいため、専用のハンドルやカギなどを購入して使用する方が安全でしょう。方法にもよりますが、多機能でなければ数百円程度から購入できます。
カランは、その水栓によってさまざまな太さや形のものがあり、同じだと思っていてもパーツのサイズが異なる場合があります。通常、水栓側にステッカーなどで、メーカー名やモデル名が入っています。パーツ交換の際には、それを参考に購入しましょう。
ちなみに一番基本的な形状では、カランには、水栓から蛇口の一番端までの間に、Uパッキン、パイプリング、袋ナット、清流版、樹脂キャップなどが付いています。
どれだけ水道栓をきつく締めても、翌朝になるとカランから水が漏れてくるという場合、蛇口周りを疑う前に、まず、こういった給水器具とその世帯の水道の止水栓(洗面台や風呂廻り等に設置されていることがあります)や、水道のおおもとの栓である止水栓の絞りを調整してみましょう。そのうえでまだ漏れてくるようなら、その水道栓箇所のパーツを見直すのが確実です。
入居後、自分で蛇口取り付けタイプの浄水器や食器洗い機、コーヒーメーカー、洗濯機、温水洗浄便座などを設置する場合、蛇口タイプによっては、分岐用アダプタを間に付けなければならないこともあります。中には、専門業者による水道栓の分岐工事が必要となるケースもあるため、内見時や契約前に、不動産会社などに相談しておきましょう。