ハロゲンランプ
車のヘッドライトにも用いられる、非常に明るく長持ちする電球の一種です
ハロゲンランプとは、ハロゲン電球とも呼ばれるものです。電球の形としては、非常に小さいながらとてもパワーがあり明るく、指向性のある光を投げかけてくれる、長寿命で知られる電球です。
良く、自動車のヘッドライトや、グラウンドなどの夜間照明、駐車場などの防犯灯、ステージのスポットライトや舞台照明に使用されています。また、プロジェクターなどの光学機器、タワーや建物エクステリアのライトアップの光源にも用いられているほど、明るく視認性が高いことで有名です。
住宅照明で非常に良く利用されている白熱灯では、電気を流して直接タングステンでできたコイル線のフィラメント、抵抗部分を温めることで、この部分に発生した熱発光を利用しています。
ハロゲンバルブも白熱灯の一種ですが、このタングステンのコイル部の他に、ハロゲン化物やハロゲン元素が封入された発光管をもっています。そして、ハロゲンサイクルと呼ばれるタングステンがハロゲン化タングステンになり、そしてまたタングステンに変化する性質を利用して、長寿命化や高い温度を出せるようにした電球です。
温度が高くなるということは、電球の場合白く明るい光が出せるということを表します。こうした性質のため、点灯した直後はあまり明るくならず、その後徐々に色や明るさが増してきます。
ちなみに、温度変化の幅や時間の長短の違いはあれど、白熱灯も同じように温度の変化は発生しています。
白熱灯同様に非常に熱くなりやすい電球ですが、白熱灯に比較しても寿命は2倍以上と長くなっています。あまり交換する必要がないことから、高い位置に設置された照明器具や、交換作業が煩雑な照明部分などを中心に、非常に多く利用されています。
一般住宅内では、天井ビルトインタイプのダウンライトや吹き抜け天井部等に設置された照明器具の電球としてや、共用玄関周りの屋外灯としての利用が非常に多くなっています。
電球の価格としては1000〜2000円前後と比較的高価ですが、ホームセンターなどでも手に入りやすい電球です。
明るさとしては色温度は3000K前後のオレンジ色のものはインテリアやエクステリア用途に、色温度2800Kの赤系の光のものは食品売り場などに使用されます。色温度が3400K〜3600Kの白色光のタイプは、より明るさが求められるさまざまな箇所で広く使われています。
ハロゲンランプには、発光部周りに小さなパラボラアンテナのようにミラーが付いているものと、ついていないタイプがあります。また、このミラー部や正面のガラス部分に、ダイクロと呼ばれる虹色のフィルムのような加工を施したタイプもあります。光を届けたい中心部は白色で、その周りには柔らかで奥行きを感じさせる色のついた光でといった演出が、電球1個だけで可能となっています。
非常に使い勝手の良いハロゲンランプですが、どんなダウンライトや照明器具にもハロゲンランプが取り付けられるわけではありません。プロジェクターを思い出していただければ分かるように、非常に高熱となりやすく、住宅天井のように木材やビニール、布や紙が使われている箇所に設置された照明器具では、熱から火災などにつながる恐れもあります。
照明器具の型番や、照明器具内の使用可能電球ステッカーなどをよく確認して、使用できるかどうかを事前に確認しておきましょう。
最近は、より熱を発生させずに、かつ小さな電力使用量でもかなり明るいLED電球が主流となっており、徐々に設備としては数を減らしつつあります。