ひょうたん島
2つの川に囲まれたひょうたん型の中州
ひょうたん島は、徳島市中心部の新町川と助任川に囲まれた中洲です。徳島平野の東部に位置していて、海には面していません。島名の由来は2つあります。1つは、島の形がひょうたんに似ていることから名づけられたというもの。もう1つは、現在の徳島町城内・東出来島町境付近の古い地名が、瓢箪島(ひょうたんじま)と呼ばれていたからというものです。
江戸時代、ひょうたん島は北東部が徳島、南西部が寺島、北西部が出来島という3つの島に分かれていました。徳島と寺島の間には寺島川が流れていて、徳島と出来島の間には瓢箪堀がありました。徳島と寺島は徳島城の内廊でした。徳島・寺島・出来島・瓢箪島は、城下町の中核をなしていた島で、常三島・福島・住吉島を加えて、「阿波の七島」と呼ばれていたと伝わっています。明治時代から段階的に、寺島川と瓢箪堀が埋め立てられ、1つの島となりました。現在は、徳島中央公園に加えて、島を取り囲むように公園が整備されています。島の東側半分には、徳島市の中心的なオフィス街が形成されています。また、徳島駅の周辺は、ショッピングセンターや百貨店が集まる、徳島県最大の繁華街です。
ひょうたん島を1周する遊覧船「ひょうたん島クルーズ」は、元日を除いて毎日運航されています。両国橋北詰の浮桟橋から約6kmのコースを、約30分かけて1周します。費用は保険料の200円のみと、とてもリーズナブル。新町橋、両国橋、佐古大橋、かちどき橋、真ん中から3方向に分かれた珍しい形の橋「三ツ合橋」など、クルージングではいくつもの橋をくぐって、美しく整備された川岸の公園やヨットハーバーなど、徳島の街を川からゆったりと眺めることができます。
公園を散歩している人に手を振ったり、水上から眉山の眺めを満喫したり、屋根のない開放感を存分に楽しめるコースとして人気があります。特に一番低いという福島新橋では、頭をすくめないとぶつかりそうなくらいです。船にはもともと屋根があったのですが、屋根付きでは橋下を通れないため、外して使われています。そのため、なかなかスリルがあります。クルージング中には、橋ごとの歴史や水辺に見える建築物についてなど、詳しい解説を聞くことができます。ひょうたん島クルーズには、JR徳島駅より徒歩約10分の新町川水際公園ボートハウス前から乗船できます。