日峰山
阿波三峰のひとつで、人気の展望スポット
日峰山は、徳島県徳島市と小松島市との境に位置する山です。中津峰、津峯とともに阿波三峰のひとつに数えられる名峰で、別名で芝山と呼ばれることもあります。北は紀伊水道や鳴門・淡路方面が、天気の良い日には和歌山地方まで遠望することができます。
大神子海岸にかけては「日峰大神子広域公園」が整備されています。駐車場展望台も完備していて、市民の憩いの場やドライブコースとしても人気があり、初日の出スポットとしても有名です。テニスコートやデイキャンプ場も設けてありますので、ご家族でのお出かけにも最適です。
山頂付近には、桜の名所としても名高い日峰神社があります。この神社では、蟹の絵のついた絵馬が奉納されます。昔、小松島の農民は毎年、田植えの時期になると稲苗を根元から蟹に食いちぎられて、たいそう困っていました。そこで、農民たちは、集落ごとに話し合いを行った結果、交代で夜の見張りをすることになります。ある月夜、夜が更けるにつれて、たくさんのカニがどこからともなく、ぞろぞろと這い出してきました。そして、苗の根元から、「チョキン、チョキン」と激しい音をたてて、切り離しているではありませんか。こうして犯人がわかったものの、どうやって退治したら良いかわからず、困った農民たちは、揃って日峰神社に祈願することにします。すると、蟹の被害がピタッと無くなったのです。それ以降、蟹の絵馬が奉納されるようになったと伝わっています。社殿には、さるかに合戦や蟹千匹など、カニにちなんだ大額が奉納されています。
徒歩でのみ通行が可能な山道の他に、日峯観光道路を使って山頂までアクセスできます。徳島市側からと小松島市側からの2つのルートがありますが、小松島市側からのルートは急勾配の区間が長く続きます。近畿地方のテレビやFMラジオ局の送信所が設置されている、生駒山(生駒山テレビ・FM送信所)、摩耶山(摩耶山送信所)、白馬山(御坊中継局)の見通しが良い場所であることから、県内ケーブルテレビの共同受信点の一つが置かれています。