高層階
日本では一般的に、6階以上の部分を呼んでいます
よく、マンションやオフィスビル物件では、高層階で眺めが良いといったコピーなどを見かけることがあります。
この高層階という言葉、厳密な定義が無く、さまざまな法律や条例によって、高層の定義が分かれています。
不動産広告では、一般的に6階以上にある住宅は、高層階として表示しているところが多いようです。これは、いくつかの建築にかかる法律等での定めを根拠にしています。
たとえば、都市計画法施行令(6条1項7号、第三十七条の四ほか)により、実務上の低層は1-2階、中層は3-5階、高層は6階以上です。また建設省の「長寿社会対応住宅設計指針」(建設省住備発第63号)において、「6階以上の高層住宅にはエレベーターを設置するとともに、できる限り3-5階の中層住宅等にもエレベーターを設ける」とあり、6階以上を高層階とする根拠としているものが多く存在します。
ですが消防法や電波法をはじめとする、高層建築物=高さ31メートルを超える建築物の定義などもあるため、一概には言えません。
またかなり以前までは、この6階以上の高さ相当で、マンション等建物の強度が大きく違っていました。他にも地域ごとの景観条例で、この高さを目安とした都市開発が進められていた歴史もあります。
築古物件でも6階以上の建物ならほとんどの物件ではエレベーターが存在するため、マンション低層階でのお部屋探しでも、6階を一つの目安とされる方が多くあります。
ちなみに、地震に強い建物だったとして、世界の建築士に語り継がれている法隆寺の五重塔は、1500年近く前に建てられた31.5mの塔です。建築マニアという人たちの世界では、この五重塔こそが日本の基準であり、このための31mだという説が非常に多いことを、使える小ネタとして、最後にご紹介しておきたいと思います。