既存不適格建築物
建ったとき法律を満たしていたものの、今は建築基準法に違反している建物のことです
既存不適格建築物(きぞんふてきかくけんちくぶつ)とは、既に昔の法律を満たして存在していた建物ではあるものの、あとから施行された新しい建築基準法等によって、違法状態となっている建物のことです。
こういった建築物は、機能その他の面では現行の法律を満たしていないため、事実上は違法ですが、法律的には違法ではないとされて取り扱われます。そのため、賃貸や売買についても行うことが可能です。
ですが、建物の機能の上で現在の法律を満たさなくなってしまったものが多いため、こういったお部屋探しの際には、耐震性や建物強度、採光、間口、防火避難等などを、しっかり確認しておく必要があります。一方で味わいのある建物も多く、自分の生活スタイルの中でこれらの条件からうまく取捨選択すれば、満足のいくお部屋と出会えるかもしれません。
ちなみに、既存不適格建築物に対して、その建物を建てた時点で法律に違反しているものは違法建築物(いほうけんちくぶつ)、違反建築物とよばれて区別されています。この場合は、違反部分について除却や移転、改築、使用禁止、使用制限等を、行政庁から命じられることがあります。
違法建築物の場合にも売買は行うことはできますが、通常住宅ローンは通りにくくなるといわれています。また、違法建築物がそのまま売買されているケースでは、未登記物件や税滞納物件などもあり、これらは購入者が何らかの負担をさせられるものなどもあるため、注意したいところです。