ガスの種類
家庭で使われている燃料用ガスには、さまざまな種類があります
台所や湯沸かし器、ボイラーなどで使われている燃料用ガスは、通常建物ごとに設備として敷設されているもので、LPガスもしくは都市ガス、天然ガスなどに分かれています。都市ガスや天然ガスはその成分によってさらに細分化され、タイプによって使用できるガスコンロなどの製品が異なります。
ガスにはさまざまな種類がありますが、1単位当たりの熱量には大きく幅があり、万が一ガス器具を間違って接続、使用してしまえば、火災や爆発の原因にもなりかねません。
ガス提供を行う各地のガス会社やプロパンガス会社が一定の期間ごとに各家庭を点検の為に訪れています。また使用開始の開栓作業の時には、設置されている機器や設置場所壁面などに、使用できるガスの種類や形式などを見やすいようにステッカー貼り付けしています。
古いステッカーしかない場合、物件の住所や部屋番号などをガス会社に連絡することでガス種の調査や自分の持っているガス器具がその建物での使用に適合しているかどうかの確認をおこなってもらえます。
引っ越しに伴い、一部のパーツだけを交換すればこれまで使用してきたガス器具が使用できるケースもありますが、ガスコンロまるごとを購入しなおしたり個別にレンタルしなければならない場合もあります。
日本で使われているガスでは、それぞれの地域リソースである天然ガスや工業用ガスなどをベースにして、さまざまなガス種が存在していました。ですが、地域を大きくまたいだ転勤などの人も増えて、ガス事故の防止や利便性のため、この10年ほどの間、経済産業省のIGF21計画に基づいて、ガス会社側でガスの種類を変更するガス転換作業が全国的に広く行われてきました。
LPGとも呼ばれるLPガス、俗にいうプロパンガスはボンベの形によらずほぼ全国共通で、どこの地域の物件でも同じガスコンロなどを使用することができます。
都市ガスの場合、単位当たりの発熱量によって2つのタイプと、7つのガスグループと13種類のガス種に分けられており、以前はそれぞれ使用できるガス器具が異なっていました。都市ガスとしての契約であれば、現在13A・12Aのどちらかが必ず供給されています。
よく通販や中古器材の中には「都市ガスなら使用できる」と書かれている物がありますが、古い機器などよっては「単に都市ガスと呼ばれていてもそのまま使用できないこともある」ため注意が必要です。
高発熱量タイプは、多くの都市圏で一般的な12Aと13Aのガスグループのものです。どちらも同じ器材で使用できる両用タイプと、どちらか片方しか使用できないタイプがありますが、ガス会社などによる調整作業を行うことで買い替えなしで使用できることもあります。
現在使用しているガス器具をそのまま使う予定なら、お引越しの前に、ガス会社に相談しておくとよいでしょう。
かつて使われていた低発熱量タイプのガスグループは5つあり、6A、5Cと、L1(ガス種7C、6B、6C)、L2(ガス種5A、5B、5AN)、L3(ガス種4A、5B、4C)に分かれていました。エリア内では「都市ガスと天然ガス」「天然」と呼び分けたり表示されてきました。
シンプルなガスコンロなどでは、自分ひとりで簡単にガス器具を取り付け接続しやすいものもあります。ですが、ガス種が違えば熱量が大きく異なり、そのまま使用すれば事故につながる危険性が高いものです。
ガス器具や取り付け場所の表示に不安があれば、不動産管理会社、地域のガス会社やプロパンガス会社にまずは相談してみましょう。