屋内庭園
おくないていえん
ルーフバルコニーや屋内に設けられた、植え込みスペース、坪庭のことです
屋内庭園とは、ルーフバルコニーや屋内各部の窓辺などに設けられた、植え込みスペースのことです。日本建築でいう「壁で囲まれた坪庭(つぼにわ=一坪ほどの小さな庭)」のようなもので、屋内に設置されたものを幅広く表しています。
屋上緑化や壁面緑化がブームとなった2000年代以降、さまざまな新しい園芸資材が開発販売されました。床面に対する防水のほか、水分の滲出を防止するシートや、軽量で虫や細菌が付着しにくくにおいがない土などが有ります。これらのメリットを生かして、建物屋内の床部や、建物屋内のプランターに屋外と変わらない植栽を施したものを、屋内庭園と呼んでいます。
日本では昔から、高級な伝統建築内部に外光を取り入れる目的で設置された光庭や、その延長で建物内部のフォーカルポイントとする屋内タイプの坪庭などが見られてきました。屋外とつながったものもあれば、完全に四方や天井などを建材で囲ませたものも存在します。
日本には、半日陰植物で花姿や葉姿が特に美しいものも多く、中世以降日本からアジアなどを経由して海外にもたらされたのではないかと呼ばれる固有種も豊富にあります。こういった植物を配することで、日照量が少なくても美しさが続き、水やりや肥料追加の他は頻繁な植え替えを不要とする屋内庭園づくりなども注目されています。
また人が通路や室内として利用する部分に配されている屋内庭園の場合、屋内の熱環境が利用できるため、秋冬など屋外植物の姿が乱れる季節でも美しいまま、花姿を楽しめるといったメリットもあります。